Project/Area Number |
22K14775
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 36020:Energy-related chemistry
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
加藤 南 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (50783643)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
|
Keywords | 固体電解質 / 高分子電解質 / 二次電池 / リチウムイオン伝導 / 多孔質有機構造体 / 多孔質材料 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、Liイオンの高い伝導度と輸率を実現するため、アニオン部位を骨格に固定したイオン化した多孔質有機構造体(Ionic-Porous Organic Frameworks; IPOF)の開発を目指す。従来の鎖状高分子固体電解質とは異なり、規則的な細孔と骨格中のアニオン部位によりカラム方向のキャリアイオン伝導経路の形成と単一イオン伝導体となることが期待される。本研究課題の特徴は、Liイオンと解離しやすいイオン化されたイミダゾール環を有し、熱的・電気化学的に安定なIPOFを合成することにより広い電位窓を有するIPOFを創製することに加え、全固体化による有機電極の容量劣化を抑制することである。
|
Outline of Annual Research Achievements |
近年、高安全性と高エネルギー密度が期待される次世代蓄電池として全固体リチウムイオン電池が注目されている。特に硫化物固体電解質は高いリチウムイオン伝導度を示すことが知られている。一方で、大気中で不安定であり有毒ガスを発生することが課題となっている。 多孔質共有結合性有機構造体は規則的な細孔を有し化学的/熱的に安定性が高いため、適切なイオン伝導パスの形成や安定性の向上を狙い、アニオン部位を骨格中に組み込むことにより、カチオン伝導体として機能することが近年報告されている。そこで本研究では、高いイオン伝導度及びリチウム輸率を示す有機固体電解質の開発を目指し、リチウム化した多孔質高分子を合成・評価し、固体電解質性能への細孔サイズやリチウム濃度の影響を調査することを目的とした。 2022年度は、ホウ素化ベンゾイミダゾールポリマーのリチウム塩を合成し電気化学的測定を行い、その固体電解質としての性能評価を行なった。乾燥状態では低伝導性であったものの、イオン液体を添加した擬固体状態では、有機正極と組み合わせた場合、液系セルに比べ高い放電容量を引き出すことに成功した。本年度は、スルホン酸基を有する多孔性有機構造体のリチウム塩の合成を目指した。イオン伝導性が結晶性に依存すると考え、複数の合成方法を検討した。界面重合により合成した構造体は、メカノケミカル法など他の合成方法により得られた構造体に比べ、高い比表面積を有することがわかった。また、熱分析測定を行ったところ、熱安定性の高い材料であることを確認した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
リチウム伝導性の多孔性有機構造体の開発を目指し、スルホン酸基を有する構造体の合成検討を行った。 β-ケトエナミン結合の規則的にスルホン酸基を有する結晶性の良い構造体の合成を目指し、有機溶媒と水溶媒の二層系の界面重合により、スルホン酸基を有する数種類の構造体を合成した。熱分析測定を行ったところ、270℃近くまで重量減少はほとんどなく、熱安定性の高い材料であることを確認した。一方で、スルホン酸基のリチウム化を数種類の無機塩や有機金属試薬を用いて試みたものの、構造体のリチウム化を確認できず、リチウム伝導体としての評価ができていない。前駆体となる構造体の合成には成功しているものの、目的化合物であるリチウム塩の合成には至っていないため、進展としては遅れていると判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
中性塩を用いたリチウム化により、定量的な確認はできていないが、スルホン酸基のプロトンとリチウムイオンの交換により塩酸が生成され水溶液が酸性となったことは確認できている。リチウム化した多孔性有機構造体については、後処理工程に課題があると考えられ、2024年度では、精製方法や乾燥方法を工夫しリチウムイオン伝導性の多孔性有機構造体の合成を進める。
|
Report
(2 results)
Research Products
(1 results)