Project/Area Number |
22K14815
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 38020:Applied microbiology-related
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
青野 陸 立命館大学, 生命科学部, 助教 (80777938)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
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Keywords | セレン / アーキア / セレンタンパク質 / 翻訳伸長因子 / SECIS |
Outline of Research at the Start |
21番目のアミノ酸であるセレノシステイン (Sec) は全生物ドメインに存在するが、Secを含むセレンタンパク質の合成機構は異なっている。SecはmRNA上に存在するSec挿入配列SECIS依存的に挿入されることが知られているが、第3の生物ドメインを構成するアーキアには既知のSECIS認識タンパク質が存在せず、その詳細なセレンタンパク質合成機構は不明である。本研究ではアーキアにおけるセレンタンパク質合成機構の解明を目指して研究を行い、全生物におけるセレンタンパク質合成機構の包括的な理解を目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
アーキアは細菌と同様に原核生物であるが、21番目のアミノ酸であるセレノシステイン (Sec) を含有するセレンタンパク質の合成機構は真核生物に近いと考えられている。Secは本来終止コドンであるUGAに挿入されることが知られており、その挿入にはmRNA上に存在し、ステムループ二次構造を形成するSec挿入配列 (SECIS) を必要とする。真核生物にはSECIS結合タンパク質eSBP2が存在し、Sec-tRNAを運搬するSelBはSECISに結合したeSBP2を認識することでポリペプチド中にSecを挿入する。しかし、真核生物のセレンタンパク質合成において鍵となるeSBP2はアーキアには存在せず、アーキアにおける詳細な合成機構は不明である。本研究ではアーキアにおけるセレンタンパク質合成機構の解明を目指して研究を行っている。 当該年度では、セレンタンパク質の合成が環境中のセレンにより制御されている可能性を考え、遺伝子発現変動解析を行った。メタン生成アーキア<i>Methanococcus maripaludis</i>を対象に検討したところ、亜セレン酸添加培地で培養した場合、セレンタンパク質の転写量は増加していたのに対し、セレンタンパク質合成系の転写量に大きな変化は見られなかった。また、<i>hmgA</i>をマーカー遺伝子とした相同組換えによる、好熱性メタン生成アーキア<i>Methanothermococcus okinawensis</i>の遺伝子組換え系の開発に成功し、本菌を用いた遺伝学的解析の基盤を構築できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに、セレンタンパク質の合成が環境中のセレンに応答するのかを検討し、多くのセレンタンパク質の発現が誘導される一方、その合成システムの発現には大きく影響しないことを見出した。また、好熱性メタン生成アーキアの遺伝子組換えシステムを新たに開発し、遺伝学的解析を行うための基盤技術の開発にも成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの解析に加えて、バイオインフォマティクス解析も駆使して、セレンタンパク質合成システムに必要と予想される新規タンパク質の探索を行う。また昨年度開発した遺伝子組換え系について、さらなる条件検討を進め、より高効率なシステム開発へ向けて検討を行う。
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