Project/Area Number |
22K14830
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 38030:Applied biochemistry-related
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
田崎 英祐 新潟大学, 自然科学系, 助教 (50816650)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
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Keywords | 長寿 / 老化 / 抗酸化酵素 / 生体分子機能 / 社会性昆虫 |
Outline of Research at the Start |
寿命の制御機構の解明は生命科学における重要課題の一つである。近年、短命なモデル生物だけでなく、実際に長命な生物種を用いた寿命研究が注目を集めている。長寿生物に見出される寿命制御の分子基盤を解明することで、従来の研究では到達しえなかった寿命研究の新領域を開拓することが可能となるからである。本研究は、数十年以上もの寿命をもつシロアリの王と女王に特異的な生体分子である新規カタラーゼ様抗酸化酵素に焦点を当て、これらの生体内における局在と寿命へ与える影響の普遍性を明らかにすることで、長寿や抗老化をもたらす新しい寿命制御機構の理解を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
長寿命生物モデル「シロアリの王と女王」に特異的な新規カタラーゼ様抗酸化酵素の生体内における局在と寿命へ与える影響の普遍性、そして生化学的性質について明らかにするため、本年度に以下の研究を行った。(1)昨年度に作製した標的酵素のN末端配列部分のみを用いたmCherry発現ベクターを用いて、培養細胞におけるmCherryの発現局在解析を実施した。当該mCheery発現ベクターを導入した細胞について細胞質と膜、核可溶性、クロマチン結合、細胞骨格に分画したのち、抗mCherry抗体を用いたウエスタンブロットによってmCherryタンパク質の局在部位を生化学的に検出した結果、標的酵素のN末端配列部分をもつmCherryタンパク質はコントロールのものと比較して膜画分と細胞骨格画分で特に濃いバンドが検出された。これらは、標的酵素の有するN末端配列部分に少なくとも細胞内局在運命を変えるポテンシャルがあることを示唆する。(2)標的酵素が生物寿命へ与える影響を評価するため、Act5C-GAL4とUAS-標的遺伝子、UAS-EGFP(コントロール)の遺伝子組換えショウジョウバエを作成し、より正確な寿命アッセイを行うため、野生型(w[1118])ショウジョウバエを用いて6回以上の反復戻し交配を行った。(3)大腸菌を用いて標的酵素の合成を行うため、標的酵素およびコントロールとなるキイロショウジョウバエのカタラーゼ遺伝子のクローニングを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、昨年度に引き続き標的酵素の細胞内局在解析とそれらを過発現するショウジョウバエの生存試験を共に実施したが、細胞内局在の生化学的なアプローチについて、市販プロトコールのままだとコントロールのmCheeryが細胞質以外の画分にも検出されるなどの問題があり、当該プロトコールの調整に想像以上の時間がかかった。また、飼育管理上のミスによりキイロショウジョウバエの系統が一部途絶えたため、キイロショウジョウバエ系統を回復し反復戻し交配をやり直すなど、時間のかかる作業が追加された。一方で、標的酵素の生化学的性質について明らかにするためのベクターの準備など、次年度行う予定であった研究を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に開発した発現ベクターを導入した培養細胞について、免疫細胞染色を用いた別のアプローチによる局在解析を実施し、標的酵素の細胞に局在情報を確定させる。また、本年度用意した戻し交配後の系統を用いて作製した標的酵素過発現ショウジョウバエについて、再度寿命アッセイを行うとともに産卵数の比較解析を実施する。さらに、大腸菌で発現した標的酵素を精製した後、in vitro系を用いてカタラーゼ活性を測定し、標的酵素の生化学的な特性を分析する。
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