Project/Area Number |
22K14863
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 38060:Applied molecular and cellular biology-related
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
池田 敦子 広島大学, 統合生命科学研究科(生), 助教 (70909093)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 酵母 / Tricalbin / セラミド / 非小胞輸送 / 脂質ホメオスタシス |
Outline of Research at the Start |
生体膜を構成するセラミドは、様々な疾患に対して治療のターゲットとして注目されているにもかかわらず、細胞内セラミド量がどのように決定されるかは十分に理解されていない。細胞内セラミド量の調節には“セラミドのオルガネラ間輸送”が重要な役割を果たすが、セラミドの非小胞輸送を実行・制御する詳細なメカニズムの解明は遅れている。申請者は、小胞体の膜タンパク質Tricalbinが非小胞輸送に必要であることを発見している。そこで本研究では、Tricalbinとの物理的相互作用を足掛かりとしたアプローチによって、セラミド非小胞輸送に関与するレギュレーター等のタンパク質を同定し、機能を解明することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
細胞内セラミドの量はオルガネラ間輸送によってコントロールされている。小胞体からゴルジ体へのセラミド輸送には、小胞輸送に加えて非小胞輸送が存在する。これまでの解析から私たちは、真核細胞で保存された小胞体膜タンパク質であるTricalbin (Tcb1, 2, 3) が、セラミドの非小胞輸送に必要であることを発見した。しかしながら、Tricalbinの機能がどのように制御されているか、他にはどのようなタンパク質が関与しているのかなど、セラミド非小胞輸送機構の全貌は未だ謎に包まれている。そこで本研究は、セラミド非小胞輸送に関与する候補タンパクのリストアップと機能同定を目指す。この目的を達成するために本年度は、Tcb3と相互作用する可能性があるタンパク質について、(1)共免疫沈降実験によるタンパク質結合の検証、(2)細胞内局在観察、(3)タンパク質立体構造予測による結合モデルの検証を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、昨年度に実施したTcb3と相互作用する可能性のあるタンパク質を検証するにあたって実験系を確立するために、既に相互作用する可能性が報告されているTcb1とTcb2を用いて、条件検討を含む解析を行った。研究実績の概要は、以下の3点である。(1)Tcb1-HA, Tcb2-HAを用いて、共免疫沈降実験の条件検討および実験方法の改良を行い、Tcb3-GFPと候補タンパク質との結合が確実に検出でき、かつ非特異的なものでないことを証明できた。(2)Tcb1とTcb2にGFPを融合させた株およびプラスミドを作成し、イメージング解析および定量を行った結果、Tcb1-GFP, Tcb2-GFPがTcb3-GFPとは特徴の異なる局在パターンを示すことを見出した。(3)タンパク質立体構造シミュレーションによりタンパク質同士の結合モデルの構築を行った。その結果、Tcb1, Tcb2, Tcb3のそれぞれの膜貫通領域同士が相互作用しており、Tcb3を中心に取る形で複合体が形成されるモデルが得られた。また、(1)および(3)の成果を、科学ジャーナルeLifeにて発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、現在までに構築・改良できた共免疫沈降実験の解析手法を用いて、引き続きTcb3タンパク質と候補タンパク質との結合について解析を行う。また、そこで得られた候補について、セラミドの輸送に関与するかどうかを調べるため、遺伝学的解析、生化学的解析を行う。候補タンパク質がTcb3タンパク質と協調してセラミドの輸送あるいは代謝に関与するのであれば、二重遺伝子破壊株は、セラミド輸送の下流でスフィンゴ脂質生合成を阻害する薬剤Aureobasidin Aに対して感受性を示すと考えられる。また、候補タンパク質がセラミドの非小胞輸送に関与するのであれば、その遺伝子の欠損はSEC遺伝子変異株において小胞輸送非依存的なIPC合成を低下させると考えられる。これらの解析を行うために、候補タンパク質の遺伝子とTCB3遺伝子との二重破壊株、およびSEC遺伝子との二重変異株の作製を行う。
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