アブラナ科自家不和合性の花粉吸水制御における細胞膜H+-ATPaseの機能解析
Project/Area Number |
22K14867
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 39010:Science in plant genetics and breeding-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
林 真妃 東北大学, 生命科学研究科, 助教 (30942106)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | 花粉吸水 / 細胞膜H+-ATPase / 自家不和合性 / アブラナ科植物 / 受粉反応 / アブラナ科 |
Outline of Research at the Start |
植物には、自身の花粉では受精を行わず、同種の他個体の花粉でのみ受精を行う自家不和合性植物が存在する。自家不和合性は、アブラナ科作物では経済的F1雑種育種技術として利用される農業的に重要な形質である。自家不和合性反応では、他個体の花粉を認識すると雌しべから花粉への水の供給が起こるが、雌雄細胞間の水の移動がどのように制御されているかは不明である。本研究ではアブラナ科植物を用いて、植物細胞の浸透圧調節を担う細胞膜H+-ATPaseに着目し、雌しべの花粉の自己他己認識後にH+-ATPaseが花粉吸水を制御しているかを明らかにする。これにより自家不和合性による受粉時の花粉吸水制御機構の理解を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は前年度にアノテーションしたアブラナのH+-ATPaseの柱頭における発現をqPCRによって調べ、アブラナの18遺伝子存在するH+-ATPaseアイソフォームのうち、3遺伝子が強く発現していることが分かった。さらに、乳頭細胞H+-ATPaseの花粉吸水における機能を調べるため、H+-ATPaseの活性化剤と阻害剤を処理したアブラナ柱頭での花粉の吸水速度測定を行った。その結果、活性化剤を処理した場合では和合花粉の吸水が抑制され、阻害剤を処理した柱頭では不和合花粉の吸水が促進された。この結果は、前年度に行った化合物処理時のアブラナの自家不和合性反応と一致していた。このことから、アブラナ乳頭細胞では、細胞膜H+-ATPaseが受粉反応時に機能し、自家不和合性を調節していることが示唆された。また、受粉反応時のH+-ATPaseの機能を遺伝学的に調べるため、シロイヌナズナの柱頭で発現するH+-ATPaseのAtAHA1恒常活性化型変異体ost2-2Dの雌しべを用いて解析を行った。結果、野生型の雌しべと比較して花粉吸水速度の低下が見られた。さらに、その後の雌しべ内での花粉管伸長もost2-2D変異体で低下することがわかった。以上の結果から、アブラナ科植物の乳頭細胞の細胞膜H+-ATPaseの活性が花粉吸水を制御している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
化合物処理によりH+-ATPase活性を変化させたアブラナ柱頭で、自家不和合性反応に変化がみられ、シロイヌナズナのH+-ATPase恒常活性型変異体の雌しべでも花粉吸水速度の低下がみられた。このことから本申請研究の当初に仮説とした、アブラナ科植物の受粉反応でのH+-ATPaseの機能の重要性が示され、さらにタンパク質活性が花粉吸水に関与している可能性まで示すことができた。しかし、実際にH+-ATPase活性が自家不和合性反応の受粉前後に変化しているのかは現在調査中であり、計画の達成には至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は受粉前後の乳頭細胞のH+-ATPase活性に変化の有無を明確にした後、得られた結果を元に論文を作成し、国際雑誌へ投稿する。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)