Project/Area Number |
22K14873
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 39010:Science in plant genetics and breeding-related
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
内田 開 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 研究員 (10780025)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | エンドウ / ピサチン / ファイトアレキシン / 毛状根 / 転写因子 / MYB / ストレス応答 |
Outline of Research at the Start |
植物は病原菌などに抵抗するためにファイトアレキシンと呼ばれる抗菌活性物質を生産する。マメ科植物のエンドウはファイトアレキシンとしてピサチンを蓄積する。ピサチン生合成に関与する酵素遺伝子については大部分が明らかになっているが、どのようなメカニズムでその生合成が制御されているかはほとんど明らかになっていない。そこで、本研究ではエンドウのピサチン生合成制御メカニズムの解明を目的とし、オミクス解析などを用いてその詳細を明らかにしていく。
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Outline of Annual Research Achievements |
前年度はエンドウの各器官を用いたトランスクリプトーム解析により、ピサチン生合成に関与する酵素遺伝子と共発現している転写因子を複数見出した。本年度ではそれらの中からWRKYおよびMYB転写因子を候補遺伝子として選抜し、本課題で確立した形質転換系を用いてそれらの過剰発現毛状根を作成した。 トランスクリプトーム解析の結果、WRKY過剰発現毛状根ではピサチン生合成に関与する酵素遺伝子の発現量に変動が見られず、その他の遺伝子についてもほとんど変動が見られなかった。一方、MYB過剰発現毛状根では塩化第二銅処理をしていないmock処理においても多数のピサチン生合成に関与する酵素遺伝子の発現上昇が見られた。しかし、ピサチンの蓄積量を分析したところ、mock処理ではピサチンが検出されず、塩化第二銅処理でもコントロール毛状根の同処理とほぼ同じ蓄積量であった。生合成酵素遺伝子の発現が誘導されていたにもかかわらず、mock処理でピサチンが検出されなかった理由として、転写は活性化されたものの翻訳はされずに生合成が進まなかった可能性が考えられる。あるいは、ピサチンなどの比較的疎水性が高いファイトアレキシンは、高度に蓄積するとエンドウ自身にもダメージを与える可能性があり、エリシター(ストレス)非存在下ではいずれかの段階で生合成が中断される、あるいは生成物の分解が生じている可能性も考えられる。 今後の方針としては、MYB過剰発現毛状根のさらなる解析を進めるとともに、別の候補遺伝子の探索と機能解析を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究により、ピサチン生合成に関与すると予想されるMYB転写因子を見出すことに成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はピサチン生合成に関与すると思われるMYB転写因子の詳細な解析を行っていく。加えて、他の転写因子などについても新たな候補遺伝子を選抜し、機能解析を行っていく。
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