深層学習を用いた栽培環境比較による「シャインマスカット」開花異常発生要因の解明
Project/Area Number |
22K14885
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 39030:Horticultural science-related
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
大迫 祐太朗 信州大学, 学術研究院農学系, 助教 (50910402)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | ブドウ / シャインマスカット / 画像解析 / 深層学習 / 未開花症 / 開花異常障害 |
Outline of Research at the Start |
ブドウ「シャインマスカット」の『開花異常』は数年前から発見され問題となっているが,その詳細は分かっていない.このような障害は,様々な要素が複合して発生すると考えられる.これまでの調査ではその要素を個別に調査してきたものの,障害に関する明確な手掛かりは得られなかった.そこで本研究は,圃場・樹を網羅的に比較解析するための,画像による包括的比較解析手法の開発を目的に行う.棚仕立て・短梢せん定という画一化された栽培環境を有するブドウ圃場の比較しやすい特徴を利用し,圃場や樹の画像の比較解析を行う.深層学習などの画像判別技術から,圃場毎の管理や樹体に隠された差異を網羅的に解析し,発生要因の解明を目指す.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,発生要因等が未だ詳しく分かっていないブドウ「シャインマスカット」の開花に関する障害である開花異常症(以下,『未開花症』と表記)に関して,圃場調査とその画像解析という観点から,発生圃場と非発生圃場とを網羅的に比較調査することによる要因解明を目指している. 2022年度は圃場調査による圃場画像データの蓄積を進めることができた.棚仕立て・短梢せん定という画一化された栽培環境を有するブドウ圃場の特徴を生かした画像解析を行い,一般的なデジタルカメラで撮影した棚下からのブドウ樹画像を用いて,葉面積指数(LAI)との相関が非常に強い指数を簡易的に算出できることを見出した.また,ドローンによるブドウ樹の棚上からの画像の収集も進め,新梢の発生状況など,これまで定量的な観測が難しかった要素を画像解析から客観的に評価する手法の開発を行っている.経時的に収集した圃場画像を比較することで,上記の圃場画像解析に適すると考えられる時期の候補を見出すこともできた. 上記の調査および画像解析から得られた情報をもとに,『未開花症』の発生圃場・非発生圃場間の比較も行った.その結果,棚の被覆度(≒葉面積)や新梢の発生程度の比較では,『未開花症』の発生と樹勢との間にある程度の関連性があることが示唆された.しかしながら2022年度は調査圃場数が限定的であり,より多数の圃場を比較しなければこの関連性について議論できない状況であると考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
圃場画像の解析については当初の想定以上に進めることができ,圃場調査する上である程度実用的な指数についても見出すことができた.『未開花症』の発生花における解剖学的解析には遅れがあるものの,2022年度の調査においてサンプルは確保することができており,分子生物学的調査に供試するサンプルの準備も行うことができたため,今後の進捗に問題はないと判断している.全体的な解析状況の進捗から,おおむね予定通りの進捗であると自己評価した.
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Strategy for Future Research Activity |
圃場画像の解析に適すると考えられる時期を見出すことができたため,2023年度はその時期を中心に調査圃場数を大きく増やし,『未開花症』の発生圃場・非発生圃場間における差異を明確化させることを目指す.圃場画像解析においては深層学習(物体検出およびセグメンテーション)を応用することで,LAIや新梢発生程度などの比較により適した指標の開発を目指す.遅れている解剖学的・形態学的調査も進め,圃場調査の際に栽培農家への聞き取り調査も行うことで,『未開花症』に関する網羅的な解析を行っていく.
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)