Project/Area Number |
22K14886
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 39030:Horticultural science-related
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
大野 健太朗 香川大学, 農学部, 助教 (10910896)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | マタタビ属 / ストレス耐性 / 耐水性 / 野生種 / 湛水耐性 / 果樹 / キウイフルーツ / 環境適応 |
Outline of Research at the Start |
近年の気候変動の影響により作物の湛水被害が発生している.湛水対策として植物の耐水性メカニズムの解明が必要であり,これまでに多数の植物種において解析されてきたが,種ごとに特異な耐水性メカニズムも複数見つかっている.そのため,植物の耐水性の包括的理解と多様な作物の安定生産のために,各作物種で耐水性メカニズムを明らかにする必要がある.近年,キウイフルーツに近縁で,顕著に耐水性の強い野生種が報告された.本研究では,この特異な植物材料の耐水性メカニズムを解明することで,植物の耐水性研究の進展を試みる.さらに,革新的なキウイフルーツ栽培方法の確立と,植物の環境ストレス耐性の研究に波及する可能性がある.
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Outline of Annual Research Achievements |
近年の気候変動の影響により作物の湛水被害が発生している.多様な作物の湛水リスクに備えるために,各作物種における耐水性メカニズムを明らかにする必要がある.特に果樹作物は,果実生産が可能となるまでの生育に年月を要する特徴から,植物体の枯死による実害が特に大きい作物である.キウイフルーツは果樹作物の中でも湛水に弱い種の一つであるが,同じマタタビ属(Actinidia属)の中でも栽培種と比較的早期に分岐した野生種のA. valvataおよびA. macrospermaは,マタタビ属の他種と比べて顕著に耐水性が強く,長期間の湛水条件でも良好に生育を続けることが近年示された.本研究では,A. valvataおよびA. macrospermaの耐水性メカニズムの解明を目的とした. A. valvataの耐水性について遺伝子発現レベルで調査した報告から,A. macrospermaおよびA. valvataは湛水による低酸素環境を回避する特性を有するよりも,むしろ低酸素等のストレスを受けた状況下で生存する能力が高いと仮説を立てた.仮説の検証のために,A. macrospermaと栽培種を乾燥環境,塩処理条件下,および還元鉄過剰環境で栽培して生育を評価したところ,A. macrospermaはこれらのストレスに対して顕著な耐性を示したため,ストレスを受けた状況下で生存する能力が高いことが確認された.特に,湛水環境では土壌が低酸素により還元状態となり,還元鉄等の物質が植物のストレスとなるとされる.本実験では,湛水により発生する土壌中の還元鉄への耐性が,A. macrospermaの耐水性の少なくとも一部を説明することを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マタタビ属内でA. macrospermaが顕著な耐水性を示す要因の一部として,湛水により土壌で発生すると考えられる還元鉄への耐性が関与していることを確認した.また,乾燥や塩処理条件下でも,栽培種と比較してストレス環境下での生存能力が高いことを確認した.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究では,マタタビ属では耐水性種と通常の栽培種ともに,湛水により通気組織が形成されて地下部へ酸素が供給される様子が観察されており,通気組織の形成はA. macrospermaの耐水性の主要因ではないと考えられていた.しかし通気組織の形成タイミングについての調査が不十分であるため,次年度に予定している.また,空気を根端まで届ける途中で根から植物体外に抜けることを防ぐためのバリア物質の蓄積についても解析予定である.
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