エフェクターの網羅的解析による植物寄生線虫の感染戦略の解明
Project/Area Number |
22K14904
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 39050:Insect science-related
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
佐藤 一輝 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 基礎科学特別研究員 (90842071)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
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Keywords | 植物寄生線虫 / ネコブセンチュウ / エフェクター / 植物免疫 / 生物間相互作用 / RNA結合タンパク質 |
Outline of Research at the Start |
植物寄生線虫は世界で最も農業被害の大きい植物病原体の一つである。線虫は病原性タンパク質であるエフェクターを分泌し、植物の免疫応答を抑制することで寄生を成立させていると考えられる。しかし、線虫がどのようなエフェクターを分泌しているのか?そして植物のどの分子を標的として免疫応答をかく乱しているのか?といった分子レベルでのメカニズムの理解はほとんど進んでいない。本研究では、線虫ゲノム・トランスクリプトーム情報とハイスループットなスクリーニング手法を駆使し、線虫エフェクターの網羅的な機能解析を行なう。本研究により、寄生をめぐる線虫-植物間の分子レベルでの攻防の全体像の理解を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は世界中で甚大な被害をもたらしている植物寄生線虫であるネコブセンチュウに着目し、エフェクターとよばれる病原性タンパク質が植物の免疫を抑制するメカニズムの理解を目指している。ゲノム・トランスクリプトーム解析に基づいて絞り込んだ300個以上のエフェクター候補遺伝子から、植物の免疫反応を強力に抑制するエフェクター候補(oki53)を選抜して、分子レベルでの機能解析を進めた。 oki53は病原体由来の小分子であるMAMPs (microbe-associated molecular patterns) で誘導される植物の免疫反応を強力に抑制した。oki53を植物で発現させたところ、MAMPの受容に必要な細胞膜上の免疫センサータンパク質の蓄積が阻害されることがわかった。次に、シロイヌナズナ(アブラナ科)とベンサミアーナタバコ(ナス科)のcDNAライブラリを用いて酵母ツーハイブリッドスクリーニングを行なうことで、oki53の標的タンパク質を探索した。その結果、シロイヌナズナとベンサミアーナタバコの両ライブラリにおいて、RNA結合タンパク質Aが標的タンパク質として同定された。興味深いことに、先行研究からRNA結合タンパク質Aは遺伝子の翻訳抑制に関与することが示唆されている。さらにoki53とRNA結合タンパク質Aを植物体内で発現させ、共局在解析、及び共免疫沈降法による解析を行なったところ、両者が植物体内で相互作用していることを支持する結果が得られた。 また、RNA結合タンパク質Aの免疫反応における役割を理解するため、Aの遺伝子に変異が挿入されたシロイヌナズナを用いて、表現型解析を行なった。変異株ではMAMPの処理時により強く免疫反応が誘導され、さらに病原性細菌に対する抵抗性も高くなっていることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
植物の免疫反応を強力に抑制するエフェクター候補(oki53)について、標的因子(RNA結合タンパク質A)を同定すると共に、免疫センサータンパク質の蓄積阻害という興味深い機能を明らかにすることができた。さらに、標的因子の変異株では免疫反応が亢進していたことから、RNA結合タンパク質Aは免疫を負に制御する因子であることが示唆された。このように、エフェクターと植物の免疫関連因子の両面において、新たな免疫制御機構を紐解く糸口となる現象を発見できた。以上より、本研究はおおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の成果より、oki53は免疫反応に関与するRNA結合タンパク質Aを標的とし、何らかの形で細胞膜上の免疫センサータンパク質の蓄積を阻害していることが示唆された。次年度は、RNA結合タンパク質Aの免疫反応における機能、とりわけ免疫センサータンパク質の翻訳制御機構への関与について、解析を進めていきたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(10 results)
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[Presentation] Molecular insights into an interaction of resistant plant Solanum torvum and virulent/avirulent root-knot nematodes2022
Author(s)
Kazuki Sato, Yasuhiro Kadota, Pamela Gan, Taketo Uehara, Takahiro Bino, Katsushi Yamaguchi, Yasunori Ichihashi, Hideaki Iwahori, Noriko Maki, Shuji Shigenobu, Takamasa Suzuki, Bruno Favery, Shahid M. Mukhtar, Ken Shirasu
Organizer
7th International Congress of Nematology
Related Report
Int'l Joint Research
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