Project/Area Number |
22K14925
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 40020:Wood science-related
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
小川 敬多 静岡大学, 農学部, 助教 (10805021)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 木質接合部 / 木材改質 / せん断 / ボルト / 木造建築 |
Outline of Research at the Start |
木造の中層・大規模建築への進出に気運が高まっているが,度々,接合部での耐力性能不足という課題に直面する。これの克服に向けて,樹脂含浸の応用を試みる。UVレーザーインサイジングを用いた樹脂含浸技術を活用し,木材の基礎物性(めり込み性能)を変化させることで,接合部の耐力性能の向上に期待できる。本研究では,実物スケールでの接合部の力学試験を実施することで,この樹脂含浸処理による高耐力化を検証し,実用化を見据えた知見を獲得する。力学試験による接合性能評価とともに,変形・破壊現象について理論的考察を加えることで確固たる技術としての確立を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
木質構造物の中大規模化に社会的関心が高まる昨今,高耐力性能の木質接合部の開発は大きな関心事である。本研究では,木材細胞内への樹脂含浸技術を応用し,高耐力接合部の実現を目指している。過去に行った実験では,ボルト穴の周りに樹脂を含浸すると,初期剛性などの特性値は増加するが,脆性的な破壊を示した。今年度はこの脆性的挙動に着目し,これがより顕著に現れると考えられる条件として,ボルト穴と縁距離との関係を調べることとした。 幅120mm,厚さ60mmの断面寸法のスギ材を用意した。なお,ここでの厚さ方向がボルトの差し込み方向と一致している。このスギ材を供試材料として,端距離(木口面からの距離)がボルト径の2,3,4,5,7,9倍となるところにボルト穴を設けた。なお,今回の実験ではボルト径は16mmとした。6条件の端距離に加え,樹脂含浸の有無の2条件,計12条件で鋼板添え板ボルト接合のせん断試験を実施した。 樹脂含浸しなかった試験体では,端距離は2~4倍の時には脆性的な破壊を示したものの,5倍の時から靭性的な挙動を示す試験体が現れ,7倍と9倍の時には靭性的な挙動を示す試験体を多く見られた。樹脂含浸した試験体では,たとえ端距離がボルト径の5倍であっても全ての試験体で脆性的な破壊を示したまた,脆性的な挙動はテトマイヤ係数を求めることで顕著に示された。樹脂含浸なしの条件では,端距離はボルト径の5倍になるとテトマイヤ係数はおおよそ0.8程度になり,端距離が7倍や9倍とほぼ同等の値となった(すなわち,5倍で頭打ち)。それに対し,樹脂含浸した試験体では端距離がボルト径の5倍の時は0.57,7倍の時は0.72,9倍では0.79となり,頭打ちの傾向は見られなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りに当該研究が進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
樹脂含浸による高耐力接合部の開発は,いまだに未解明な点が多い。今年度の脆性さの検討においても,実験ができたのは限られた寸法条件であるため,今後は試験データの充実が必要である。 また,含浸する樹脂についてもさらなる検討が必要である。最近に調べたところ,今回使用した樹脂はガラス転移温度が室温よりもはるかに高いものであった。脆性さに及ぼす影響としてはガラス転移温度も要因として大いに考えられることから,これを解明するための実験が重要になる。 加えて,実大スケールへの接合部への展開も今後に予定している。
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