Project/Area Number |
22K14952
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 40040:Aquatic life science-related
|
Research Institution | Fisheries Research and Education Agency |
Principal Investigator |
松浦 雄太 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産技術研究所(南勢), 研究員 (40823894)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
|
Keywords | ノカルジア / 細胞性免疫 / 感染防御抗原 / 細胞内寄生細菌 |
Outline of Research at the Start |
ブリのノカルジア症は国内で発生する魚病被害額の20%(例年20億円程度)を占めるほどの甚大な経済損失をもたらしており、ワクチンの開発が求められている。開発が容易で現在市販化されている水産用ワクチンの大半を占める不活化ワクチンではノカルジア症を防除できず、これまでと異なる開発戦略が必要である。本研究では、ノカルジア菌に対する感染防御機構として重要な細胞性免疫を測定する技術を応用し、ノカルジア菌の感染防御抗原の特定を目指す。また、特定した抗原の情報を利用しDNAワクチンやmRNAワクチンなど次世代型ワクチンの開発を行い、感染症被害の軽減を目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
ブリのノカルジア症は国内で発生する魚病被害額の20%(例年20億円程度)を占めるほどの甚大な経済損失をもたらしており、ワクチンの開発が求められている。開発が容易で現在市販化されている水産用ワクチンの大半を占める不活化ワクチンではノカルジア症を防除できず、これまでと異なる開発戦略が必要である。 本研究では、細胞性免疫を測定する技術を応用し、ノカルジア菌の感染防御抗原の特定を目指した。令和4年度の研究により精製に成功した、ノカルジア菌由来抗原に含まれる感染防御抗原タンパク質の同定を実施した。感染防御抗原タンパク質を含む精製画分についてSDS-PAGEにより分画し、得られた各バンドについてLC-MS/MS解析を行ったところ、全てのタンパク質バンドについてアミノ酸配列の同定に成功した(計6タンパク質)。また、これらをコードする遺伝子のクローニングにも成功し、遺伝子配列をもとに組換え体タンパク質を作製した。さらに、組換え体タンパク質が細胞性免疫誘導能を有することを証明するため、ノカルジア菌感染に対して感染防御能を有する感染耐過魚を作製し、本個体より分離した白血球を用いてインターフェロンγ(IFNγ)誘導能を解析した。その結果、分子量約40,000のタンパク質に活性があることが確認された。 また、特定した抗原の情報を利用したワクチン開発のため、本タンパク質を標的としたDNAワクチンを作製し、現在人為感染試験による有効性評価を行なっている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ノカルジア菌の感染防御抗原候補となるタンパク質について同定が完了し、実際に細胞性免疫誘導効果のある組換え体の作製にも成功した。しかし、本抗原欠損株の作製に苦戦しており、合わせてin vivoでの解析にも支障が生じている。そこで、R6年度以降に実施予定であったワクチンの試作および効果検証を先だって実施した。よって、本来の目標である「細胞性免疫を誘導する抗原が感染防御抗原であることを証明する実験」については進捗がやや遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
R6年度は進捗の遅れていた「細胞性免疫を誘導する抗原が感染防御抗原であることを証明する実験」を実施予定である。また、本来の予定に先行して実施していたワクチン開発の実験についても、試作ワクチンの改良など残された課題について取り組む予定である。
|