Project/Area Number |
22K14965
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 41030:Rural environmental engineering and planning-related
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
城間 吉貴 琉球大学, 教育学部, 准教授 (30781455)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 水中ラドン濃度 / 地下水湧出 / 地下水モデリング / 水中ラドン |
Outline of Research at the Start |
水災害の理解および地域の水資源の持続的利用のためには,地下水循環に対する理解が必要不可欠である。しかしながら,河川水と地下水の交流については不明な点も多く,既存の数値モデルを用いた推定が,実測的な結果と異なることも少なくない。本研究では,河川における水中ラドン濃度の分布を数値モデルによって再現することを目的として,研究対象地域である福井県大野市において①大野盆地における河川水中ラドン濃度の詳細調査,②地下水中ラドン濃度の実験的評価と実測調査,③河川水中ラドン濃度の分布モデルの構築と再現性の評価の3つのテーマを継続的に実施する。
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Outline of Annual Research Achievements |
水災害の理解および地域の水資源の持続的利用のためには,地下水循環に対する理解が必要不可欠である。しかしながら,河川水と地下水の交流については不明な点も多く,既存の数値モデルを用いた推定が,実測的な結果と異なることも少なくない。本研究では,河川における水中ラドン濃度の分布を数値モデルによって再現することを目的として,研究対象地域である福井県大野市において①大野盆地における地下水中ラドン濃度の詳細調査,②水中ラドン濃度の実験的評価と実測調査,③河川水中ラドン濃度の分布モデルの構築と再現性の評価の3つのテーマを継続的に実施する。 本研究は,①大野盆地における河川水中ラドン濃度の詳細調査,②地下水中ラドン濃度の実験的評価と実測調査,③河川水中ラドン濃度の分布モデルの構築と再現性の評価という3つのテーマから構成される。①では,本研究の対象地域である福井県大野市を対象として,河床からの地下水湧出によりラドン濃度が高くなっていることが示唆される水域において,河川の流向,川幅方向に一定間隔で採水を行い,河川水中ラドン濃度の分布を可視化する。②では,河川水中ラドン濃度推定モデルの初期値となる地下水中ラドン濃度を実験的に評価するため,大野市から得られた地質試料のラドン散逸係数,ラジウム濃度および土壌物性データを測定し,各地盤に固有の地下水中ラドン濃度を評価する。③では,これまでに得られた河川データと地下水中ラドン濃度を用いて,湧出量および湧出形態を変数とする河川水中ラドン濃度の2次元分布モデルを格子法を用いて構築する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的を達成するための最適なフィールドとして,福井県大野市を選定した。大野市には,一級河川である九頭竜川水系を構成する大小河川が流れており,市内には多くの湧水が点在する。市民の生活水源の多くは地下水に依存しており,湧水保全が長年にわたって実施されてきた。これらのことから,水循環基本法のモデル都市となっている。申請者は,2018年度から同市との共同研究を実施しており,本研究の基盤となる様々な研究情報を利用できる環境にある。本研究の実施についても同市の協力を得られる体制を構築済みである。 本研究では,①大野盆地における河川水中ラドン濃度の詳細調査,②地下水中ラドン濃度の実験的評価と実測調査,③河川水中ラドン濃度の分布モデルの構築と再現性の評価という3つのテーマを継続的に実施する。本年度は,昨年度から実施している水中ラドン濃度のグラブリング調査を行うとともに,地下水中ラドン濃度の実験的評価を行った。水中ラドン濃度のグラブリング調査では,大野盆地を流れる赤根川と清滝川の2つの河川下流域において詳細な分布調査を行った。その結果,赤根川の下流域では河川の両岸で低いラドン濃度を呈しており,シーページ型の湧出形態を持つことが示唆された。また,最下流の1地点で約20 Bq/Lの高いラドン濃度が検出された。これまでに研究から大野市の湧水中ラドン濃度はおよそ25 Bq/Lであることからこの地点の近傍にスプリング型の地下水湧出地点があることが示唆された。また,清滝川の下流においては,広域で水中ラドン濃度がおよそ5 Bq/Lを呈しており,比較的濃度のばらつきも小さかった。このことから清滝川の下流域においては広範囲に均一的に地下水が湧出するシーページ型の地下水湧出地点を特定することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は,2023年度に引き続き①大野盆地における河川水中ラドン濃度の詳細調査を行うとともに,②地下水中ラドン濃度の実験的評価と実測調査を実施する。河川水中ラドン濃度の調査では,調査地域を拡大するともにスプリング型地下水湧出地点を特定するためにより密な調査を実施する。今後,これらの研究成果を取りまとめ,国内外の学術誌へ投稿する。さらに,②地下水中ラドン濃度の実験的評価と実測調査では,土壌試料の分析を継続するとともに,地下水湧出地点近傍の河床試料を採取し,より実環境に近い状況の地下水へのラドン移行を評価できるように研究を深化させたい。さらに2023年度から進めている③河川水中ラドン濃度の分布モデルの構築と再現性の評価においては,①で得られた2つの河川における水中ラドン濃度を再現するために,スプリング型湧出およびシーページ型湧出を考慮したモデルの構築を目指す。
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