微生物メタボリズムからのカンピロバクター腸炎発症メカニズムの理解
Project/Area Number |
22K15004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 42020:Veterinary medical science-related
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Research Institution | National Institutes of Biomedical Innovation, Health and Nutrition |
Principal Investigator |
細見 晃司 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 ワクチン・アジュバント研究センター, 主任研究員 (00755762)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | カンピロバクター / 腸炎 / 微生物メタボリズム / エネルギー代謝 / 細菌感染症 / メタボリズム / 抗体 / ワクチン |
Outline of Research at the Start |
カンピロバクター感染症は公衆衛生上の重要課題であるにもかかわらず、動物モデルが確立されていないなどの理由から、病態形成メカニズムなどの研究が十分に進んでおらず、有効なワクチン開発や薬剤などの根本的な対策も確立できていない。本研究では、独自に見出しているカンピロバクター腸炎マウスモデルとカンピロバクター特異的抗体ライブラリを活用して、カンピロバクター感染症における病態形成メカニズムと新規制御法の開発に資する学術的知見を提供する。特に、カンピロバクターの代謝機能に着目し、病態形成を理解することで新たな制御戦略を提案したいと考えている。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は『カンピロバクター腸炎モデルを確立し、病態形成メカニズムを包括的に理解し、さらに、抗体ライブラリなど独自の研究基盤を活用し、新規ワクチンシーズの探索などカンピロバクター感染症の予防法や治療法の開発に資する基礎研究を遂行する』ことである。これまでの検討から、カンピロバクターのエネルギー代謝が感染に伴う腸炎などの病態と密接に関わっていることが示唆されており、「微生物メタボリズム」の観点から病態形成を理解することを目指している。 進捗状況として、腸炎発症マウスにおける病態形成を免疫学的観点から解析した結果、カンピロバクターの感染により、大腸の上皮バリアが崩壊し、上皮層ならびに粘膜固有層への好中球浸潤を特徴とする腸炎が発症していることが明らかになった。さらに、微生物学的な観点から解析を進め、カンピロバクターのトランスクリプトームやメタボローム解析などから、腸炎を誘導する培養条件では、菌の代謝活性が亢進していることが明らかになった。一方で、細胞接着・侵入、炎症性、菌の運動性、莢膜活性や毒素産生などの既知の病原因子の発現や機能に変化がなかったことから、代謝活性の亢進が腸炎を誘導する決定要因となると考えられる。このように、本研究は当初の予定通り順調に進捗しており、「微生物メタボリズム」の観点からカンピロバクター腸炎の病態形成メカニズムの解明を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
カンピロバクター腸炎モデルの宿主側、ならびに腸炎を誘導する菌側の両観点からの解析を進め、菌のエネルギー代謝と腸炎の病態形成の関連が明らかになり、メカニズム解明が進んでいることから、本研究は当初の計画通りに進捗していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
菌の代謝活性を指標に、カンピロバクター特異的な抗体ライブラリのスクリーニングを実施し、カンピロバクターの代謝を阻害できる抗体を見出している。今後、本抗体の機能解析ならびに認識抗原の同定などを進め、感染メカニズムの解明に加えて、治療・予防標的としての有用性の評価を進め、カンピロバクター感染症の予防法や治療法の開発に資する学術知見の創出へつなげていきたいと考えている。
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Report
(1 results)
Research Products
(14 results)
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[Journal Article] Oral administration of Blautia wexlerae ameliorates obesity and type 2 diabetes via metabolic remodeling of the gut microbiota2022
Author(s)
Hosomi K, Saito M, Park J, Murakami H, Shibata N, Ando M, Nagatake T, Konishi K, Ohno H, Tanisawa K, Mohsen A, Chen YA, Kawashima H, Natsume-Kitatani Y, Oka Y, Shimizu H, Furuta M, Tojima Y, Sawane K, Saika A, Kondo S, Yonejima Y, Takeyama H, Matsutani A, Mizuguchi K, Miyachi M, Kunisawa J
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Journal Title
Nature Communications
Volume: 13
Issue: 1
Pages: 4477-4477
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Dietary Vitamin B1 Intake Influences Gut Microbial Community and the Consequent Production of Short-Chain Fatty Acids2022
Author(s)
Park J, Hosomi K, Kawashima H, Chen YA, Mohsen A, Ohno H, Konishi K, Tanisawa K, Kifushi M, Kogawa M, Takeyama H, Murakami H, Kubota T, Miyachi M, Kunisawa J, Mizuguchi K.
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Journal Title
Nutrients
Volume: 14
Issue: 10
Pages: 2078-2078
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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