Project/Area Number |
22K15010
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 42020:Veterinary medical science-related
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Research Institution | Gifu University (2023) Kyoto University (2022) |
Principal Investigator |
朝比奈 良太 岐阜大学, 高等研究院, 特任准教授 (00837487)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 誘導型皮膚関連リンパ組織 / アトピー性皮膚炎 / 樹状細胞 / T細胞 |
Outline of Research at the Start |
アトピー性皮膚炎は、皮膚バリア機能異常を背景に環境抗原により活性化したヘルパーT細胞により皮膚炎が惹起される。ヘルパーT細胞の過剰な活性化を制御する治療開発が医療および動物医療において求められている。近年、炎症下では誘導型皮膚関連リンパ組織(iSALT)が形成され、皮内でのT細胞の活性化機構の存在が示唆されているが、不明な点が多い。iSALTにおけるヘルパーT細胞の活性化が制御できれば、アトピー性皮膚炎に対する新規の治療標的となり得る。そこで本研究では、iSALT内でのへルパーT細胞の活性化機構を解明し、ヒトとイヌのアトピー性皮膚炎におけるiSALTの役割を明らかにすることを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
腸管や肺などの外界と接する上皮バリア組織では、リンパ組織様構造が局所に認められ、侵入した抗原に対する生体防御機構としての役割が知られている。皮膚においては、炎症下で形成される誘導型皮膚関連リンパ組織(iSALT)が発見され、そこで樹状細胞によりCD8+T細胞が活性化される可能性が示された。しかしながら、CD4+T細胞に対するiSALTの役割は検討されていないほか、CD4+T細胞が病態の主軸を成すアトピー性皮膚炎におけるiSALTの関与は不明である。本研究では、アトピー性皮膚炎におけるiSALTの免疫学的な役割を明らかにすることを目指す。 iSALT形成局所の免疫反応を解析するために光変換蛍光タンパク(KikGR)を用いて、iSALT選択的に蛍光標識して解析できる系を確立した。この実験系を用いて、これまでにiSALTを構成する樹状細胞サブセットとして、CD301b陽性2型樹状細胞を同定した。CD301b陽性2型樹状細胞をジフテリア毒素により特異的に除去できる遺伝子改変マウス(Mgl2-DTRマウス)を用いて、iSALTの免疫学的役割について解析した。CD301b陽性2型樹状細胞を除去したマウスでは、接触皮膚炎惹起時における皮膚炎が減弱し、CD8+T細胞からのサイトカイン産生が低下した。また、遅延型過敏症モデルでは、炎症収束期にCD301b陽性2型樹状細胞を除去するとCD4+メモリーT細胞の減数およびクラスター形成が抑制され、抗原再曝露時の皮膚炎が減弱した。さらに、アトピー性皮膚炎の患者皮膚を用いた免疫組織化学ではCD301陽性2型樹状細胞がCD4+T細胞とともにiSALTを形成することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、iSALTを構成する樹状細胞サブセットであるCD301b陽性2型樹状細胞を特異的に除去できる遺伝子改変マウス(Mgl2-DTRマウス)を用いて、CD301b陽性2型樹状細胞がT細胞の活性化および増殖を誘導することで、アレルギー炎症の惹起に関与することを示した。さらに、アトピー性皮膚炎患者皮膚を用いた免疫組織化学ではCD301陽性2型樹状細胞とT細胞から構成されるiSALT形成を明らかにした。これらの成果から、iSALTはCD301陽性2型樹状細胞によりT細胞が活性化や維持する場であることが示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、アレルギー炎症後に誘導されたiSALTを標識した皮膚を用いたシングルセルRNAシークエンスを行い、網羅的な解析からiSALTの新たな免疫学的意義の解明を目指す。具体的には、光変換タンパク(KikGR)発現マウスを用いて接触皮膚炎を誘導し、iSALT内細胞(赤色蛍光)とiSALT外細胞(緑色蛍光)をセルソーターで分出後にシングルセルRNAシーケンスを実施する。この方法により、iSALT構成する免疫細胞を網羅的に解析できる上、インタラクトームにより多細胞間相互作用を解析できる。iSALTの免疫学的役割に関わる候補分子が抽出されれば、次世代マルチプレックス免疫化学染色であるイメージングマスサイトメトリーによりアトピー性皮膚炎患者皮膚を解析し、iSALT内における構成細胞および候補分子の発現を明らかにする。
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