Project/Area Number |
22K15027
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 42040:Laboratory animal science-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
奥嵜 雄也 名古屋大学, 生命農学研究科, 助教 (30837208)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2026: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | CRISPRスクリーニング / ゲノム編集 / インフルエンザウイルス / 遺伝子組換えニワトリ / CRISPR-Cas9 / ニワトリ |
Outline of Research at the Start |
本研究では、ゲノム編集技術であるCRISPR-Cas9を用い、ニワトリ細胞において鳥インフルエンザウイルスの感染や増殖に必要な宿主遺伝子のスクリーニングを行う。このスクリーニングにより見出されたインフルエンザウイルスに抵抗性を示すと考えられる候補遺伝子を、実際にニワトリ個体でゲノム編集することで、インフルエンザ抵抗性ゲノム編集ニワトリ系統の作製を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
インフルエンザウイルス抵抗性を示すニワトリの作出にあたり、本年度の研究ではウイルス耐性遺伝子候補の取得を目的としたCRISPR-Cas9を用いたスクリーニングを行うためのシステムを構築した。ニワトリ遺伝子を対象としたCRISPR-Cas9 gRNAライブラリは存在したいため、まずgRNAライブラリの構築を試みた。データベース上にアノテーションが存在する14000種類のニワトリ遺伝子のタンパク質コード領域を対象とし、各遺伝子に対してCRISPR-Cas9 gRNAの標的配列をそれぞれ6つずつin silicoで設計した。次いでこれら標的配列をカスタムマイクロアレイ上に合成し、PCRにより二重鎖DNAへリカバリーした後gRNA発現用レンチウイルスベクターへとクローニングを行うことでgRNAライブラリを作製した。また、並行してインフルエンザウイルスの感染実験に用いるニワトリ線維芽細胞DF1に対して、piggyBacトランスポゾンベクターを用いて恒常的もしくはテトラサイクリン依存的にCas9タンパク質を発現する安定発現株の樹立を行った。さらに作製した安定発現株をクローン化し、Cas9によるゲノム編集効率が高い株を選抜した。今後これらの材料を用いてインフルエンザウイルス耐性遺伝子のスクリーニングを進める予定である。本研究は世界で初めてニワトリの全遺伝子を対象としたgRNAライブラリを作製した。ニワトリは食肉や食用卵の生産に重要な家禽であり、また鳥類モデル生物として発生学などの基礎生物学においても広く用いられている。本研究で作製したgRNAライブラリは育種や発生学を目的としたCRISPRスクリーニングにも適応可能であり、したがって遺伝子工学的ツールとしても汎用性の高い有益なものだと考えらえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究によりCRISPR-Cas9スクリーニングに用いるためのsgRNAライブラリの構築と、インフルエンザウイルス感染実験に用いるためのCas9発現ニワトリ線維芽細胞DF1の樹立が完了した。これらの進捗を当初の計画と照らし合わせるとおおむね順調に進展しておると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、まず作製したgRNAライブラリを用いてレンチウイルスを作製し、これをCas9発現ニワトリ線維芽細胞DF1に対して0.1から0.5程度の低い多重感染度で感染させることで標的gRNAの配列をDF1のゲノムDNA中に組み込むと共に、ランダムに特定の遺伝子が破壊されたバルクDF1細胞を作製する。ついでこの細胞集団に対してトリインフルエンザウイルスを感染させ、生存あるいは感染が成立しなかった細胞をセルソーターなどにより分離・回収する。その後回収した細胞よりゲノムDNAを精製し、ゲノム中に組み込まれたgRNAの配列をPCRにより増幅し、アンプリコンシーケンスによりこれらの配列を解析することでインフルエンザウイルスの感染に対して抵抗性を示す遺伝子群の候補を特定する。
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