Project/Area Number |
22K15045
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 43010:Molecular biology-related
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
小島 和華 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 日本学術振興会特別研究員 (10923667)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 隔離膜 / オートファジ― / 脂質膜 / オートファジー / 隔離膜形成 |
Outline of Research at the Start |
細胞にとって有害なタンパク質の凝集体や、機能不全となった細胞小器官を除去する分解システムである「オートファジー」、その最大の特徴は、細胞質空間において分解対象物を隔離するための脂質二重膜が形成されることである。本研究は、オートファジー膜が伸長する際に膜への脂質輸送がどのように制御されているのか、また、特定の脂質がどのようなメカニズムでオートファジーの駆動力となるのか、という問いについて、「脂質と相互作用するオートファジー関連タンパク質」の新規同定と機能解析を進めることによって明らかにしていく。
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Outline of Annual Research Achievements |
細胞内の不要なタンパク質や機能不全となったオルガネラを分解するオートファジーは、分解標的物を取り囲むための隔離膜という脂質二重膜の出現を特徴とする。本研究では、オートファジーにおける「タンパク質により制御される脂質の動き」および「脂質により制御されるタンパク質の動き」に焦点をあて、哺乳類における新規オートファジー関連因子の探索と機能解析を行っている。小胞体からの膜の材料となる脂質供給や、特定のオートファジータンパク質の局在を左右するPI3PやPI4Pなどの修飾脂質はオートファジーの進行に重要である。申請者の先行研究において行った、オートファジー時に隔離膜形成の場に集積するタンパク質の網羅的探索のための質量分析データをもとに、脂質結合オートファジータンパク質に焦点を当てて、オートファジー時の挙動変化や動態解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請者は先行研究で、損傷したミトコンドリア選択的なオートファジー(ミトコンドリアオートファジー)の誘導系を実験条件として用いたIP-MS解析により、オートファジー時に隔離膜形成の場に集積する未知のタンパク質の網羅的探索を行った。前年度は先行研究に置いて得られたデータを再解析し、「脂質と相互作用するタンパク質」という基準で新たなオートファジー関連タンパク質の候補の絞り込みを行い、得られた複数の候補因子について哺乳類培養細胞中における隔離膜局在を明らかにした。本年度はその膜局在の分子メカニズムを明らかにするため、タンパク質の脂質結合に重要と思われる残基や領域を変異させた変異体作製を行い、それらを細胞内に発現させて動態解析を行った。その結果、隔離膜上への集積に必要な領域を同定した。また、これらのタンパク質のオートファジーにおける重要性を明らかにするため、解析タンパク質すべてについて遺伝子欠損細胞を作製して、オートファジーシステムへの影響を検討した。近年、新しく開発された手法であるHaloタグとそのリガンドを利用したオートファジー活性測定を行ったが、アミノ酸飢餓に応答したオートファジーの顕著な抑制はみられなかった。今後はオートファジー誘導条件を変えるなどしてより詳細な解析を行う必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
様々な条件でオートファジ―誘導を行い、候補タンパク質のオートファジ―機能の解析を進める。今年度樹立した遺伝子欠損細胞において、細胞内の脂質動態がどのようになっているかを明らかにするため、脂質プローブを用いた解析も行う。 また、大腸菌・昆虫培養細胞・哺乳類培養細胞からのタンパク質精製を試み、申請者が先行研究において実験系を確立した、人工的に作製した脂質膜リポソームとの試験管内結合実験に用いる。この解析により、同定したタンパク質がどのような種類の脂質とどのような様式で結合するか検討し、その脂質-タンパク質間の結合がオートファジーカスケードの進行において担う役割を明らかにする。
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