RNA修飾酵素による特異的なmiRNA発現制御の分子基盤解明
Project/Area Number |
22K15055
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 43030:Functional biochemistry-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
八代 悠歌 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 特任助教 (40836483)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | microRNA / プロセシング / Drosha/DGCR8 / RNA修飾酵素 / 構造 |
Outline of Research at the Start |
近年のエピトランスクリプトーム解析技術の発展により、RNA修飾が遺伝子の発現調節においてもはたらくことが明らかにされてきた。最近の研究により、tRNAの修飾酵素であるMETTL1とTRUB1が、let-7ファミリーのmiRNAの発現を制御することが発見された。しかし、METTL1およびTURB1がlet-7 miRNA前駆体の核内プロセシングを促進する際の分子メカニズムは未解明である。本申請課題では、X線結晶構造解析、生化学・細胞生物学的解析を駆使し、METTL1およびTRUB1が、let-7 miRNA前駆体の核内プロセシングを促進する際の特異的な基質認識と作用機構の分子基盤の解明を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、X線結晶構造解析、クライオ電子顕微鏡による単粒子解析、生化学・細胞生物学的解析の手法をもちいて、RNA修飾酵素によりmiRNA前駆体のプロセシングが促進される際の基質認識と作用機構の分子基盤の解明に取り組む。特に、近年let-7 miRNA前駆体の核内プロセシングを促進することが明らかにされたtRNAのシュードウリジル化酵素であるTruB1に着目し、TruB1がlet-7 miRNA前駆体の核内プロセシングを特異的に促進するメカニズムの解明を目指す。 初年度である本年度は、バキュロウイルスを用いた昆虫細胞発現系を利用し、miRNA前駆体の核内プロセシング酵素複合体であるDrosha/DGCR8のリコンビナントタンパク質の発現および精製方法を確立した。また、試験管内において精製したDrosha/DGCR8複合体によるlet-7 miRNA前駆体の切断活性を確認することができた。今後、Drosha/DGCR8によるlet-7 miRNA前駆体の試験管内プロセシングの系に、野性型や変異体TruB1を加え、プロセシングの促進効果を評価する予定である。現時点では、let-7 miRNA前駆体の試験管内プロセシング反応系において、TruB1リコンビナントタンパク質の添加によるプロセシングの促進が観察できておらず、今後、反応条件を検討する必要がある。また、TruB1とlet-7 miRNAの共結晶構造解析により、TruB1によるlet-7 miRNA前駆体の認識機構を明らかにするために、TruB1とlet-7 miRNA前駆体の共結晶化スクリーニングをおこなった。しかしながら、現時点では十分な回折能を持つ結晶を得られていない。今後、結晶化条件の最適化やタンパク質およびRNAのコンストラクトの改善をおこなう予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記の通り、研究計画に従って構造解析や生化学的解析のための準備を進めることができた。よって概ね研究計画の通りの進捗が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度も当初の研究計画に従って研究を進める。TruB1とlet-7 miRNAの共結晶構造解析に向けて、結晶化条件の最適化やタンパク質およびRNAのコンストラクトの検討をおこなう。また、Drosha/DGCR8複合体によるlet-7 miRNA前駆体の試験管内プロセシング系において、TruB1によるlet-7 miRNA前駆体のプロセシング反応の促進を再現するために、反応条件の検討を進める。さらに、ゲルろ過クロマトグラフィーをもちいてDrosha/DGCR8複合体とTruB1、let-7 miRNA前駆体 (pri-let-7) の相互作用を調べ、Drosha/DGCR8:TruB1複合体、あるいはDrosha/DGCR8:pri-let-7:TruB1複合体の形成が観察されるかを調べる。複合体形成がみられた場合には、形成した複合体についてクライオ電子顕微鏡による構造解析を試みる。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)