オルガネラへの脂質分配と細胞分裂を調和させる分子機構の解明
Project/Area Number |
22K15060
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 43030:Functional biochemistry-related
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Research Institution | University of Shizuoka (2023) Kyoto University (2022) |
Principal Investigator |
土谷 正樹 静岡県立大学, 薬学部, 准教授 (00837338)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | ホスファチジルコリン / 代謝標識 / 細胞内免疫染色 / コリン / 細胞増殖 / 細胞分裂 / 細胞死 / オルガネラ / ミトコンドリア / CRISPRスクリーニング / 脂質代謝動態 |
Outline of Research at the Start |
真核生物は細胞分裂の過程で各オルガネラに脂質分子を過不足なく供給し、膜タンパク質の足場となる脂質環境を作る。しかし、オルガネラへの脂質分配を調節するタンパク質や、脂質分子に依存して細胞分裂を駆動するタンパク質は明らかでない。そこで本研究では、真核生物の自己複製を進めるオルガネラ膜脂質動態の分子基盤の解明を目指す。このために独自の「細胞内脂質動態の全ゲノムCRISPRスクリーニング」を駆使し、「細胞周期に連動する脂質輸送の制御因子」と「膜脂質依存的な細胞分裂の必須因子」を同定する。オルガネラ膜脂質と同定タンパク質群の因果関係を解析し、細胞分裂における脂質とタンパク質の時空間ネットワークを明かす。
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Outline of Annual Research Achievements |
狙いの細胞内オルガネラ空間に対して選択的なクリックケミストリー反応によるリン脂質ホスファチジルコリン(PC)への蛍光標識、およびフローサイトメトリーによる1細胞分解能での局所的なPCの蛍光標識量のハイスループット解析を検討してきた。最終的に、小胞体・ゴルジ体、ミトコンドリア、形質膜の3つの膜PCを標的にするプール型CRISPRスクリーニングへの展開を実証した(土谷、Cell Metabolism、2023)。研究の過程で、この手法は生細胞での利用に制限されるという課題が判明し、細胞内免疫化学的手法に適用するために、本手法と細胞固定・膜透過処理との併用を検討した。架橋剤パラホルムアルデヒトPFA処理を行っても蛍光標識PCは細胞内に残存したが、界面活性剤トリトンX-100処理により蛍光標識PCは細胞から除去された。そこで、別の界面活性剤としてサポニンを検討したところ、蛍光標識PCは残存することが分かった。この条件において、細胞内の抗原物質に対する抗体標識との併用が可能であった。すなわち、リン脂質PCの細胞内代謝動態解析と同時に、細胞内免疫染色によるマーカー発現解析を行うことが可能となり、より多数の標的生体分子を関連付けて評価する手法を構築できた。とくに、タンパク質の新規合成活性をモニターするピューロマイシン代謝標識法と組み合わせることで、PC合成とタンパク質合成を1細胞レベルで同時評価できる初めての方法を構築した。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)