Project/Area Number |
22K15079
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 43040:Biophysics-related
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
指宿 良太 国立研究開発法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所神戸フロンティア研究センター, 研究員 (00934241)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | タンパク質モーター / DNAナノチューブ / 合成生物学 / 分子モーター / ダイニン / DNA結合タンパク質 |
Outline of Research at the Start |
生物分子モーターは、微小なアクチュエーターになりうるとして期待されてきたが、これらに共通する「一方向へ動く」という機能を実現する原理は、未だ体系的に理解されていない。本研究では、分子モーターのレールとしての役割を持つ細胞骨格系タンパク質をDNA高次構造体へと置き換え、DNAと相互作用させるために天然から得られる既知のタンパク質部品を機能モジュールとして組み合わせ、天然にはない分子モーターを設計するという独自の手法をとる。この手法により、従来困難であったモーターとレールの結合部位に系統的な改変を加えることが可能となり、運動能や結合の非対称性の変化を詳細に解析し、一方向性運動の設計原理を理解する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、細胞骨格系繊維状を歩行するタンパク質モーターを改変し、DNAナノ構造体上を歩行する新規タンパク質モーターを創ることで、分子モーターに共通した一方向性運動の発生原理の理解を深めることを目的としている。これまでに、自然界に存在すダイニンと呼ばれる分子モーターの微小管結合部位を、転写因子といったDNA結合タンパク質と置き換え、フィラメント側であるDNAには、微小管やアクチンと類似した中空状の構造を持ち、結合部位である認識配列を周期的に配置可能なDNAナノチューブと呼ばれる構造体を選択したことで、新規分子モーターがDNAナノチューブ上を一方向に歩行する新規分子モーターシステムの開発に成功している。作製した新規分子モーターは約20種類程度あり、そのうち異なる運動速度を示す11種類のモーターを得た。これらの運動特性の違いが何に起因しているのかを調べるためには、ATPase測定や結合親和性測定などを詳細に調べる必要がある。しかし、多種類あるモーターそれぞれの溶液条件や変異を導入したDNAナノチューブなどの実験条件を考えると、実験量が大幅に増加してしまうため、自動分注機やプレートリーダーなどを用いたハイスループット測定の構築を行った。結果として、一回の実験で4種類の分子モーターを20条件の異なるATP濃度でATPase測定が可能な実験系を構築した。これにより従来1日から2日かかる実験が3時間程度まで短縮することができた。さらに、全反射照明蛍光顕微鏡を用いた運動測定では、1種類のモーターを一時間程度観察するため非常に時間がかかっていたが、384ガラスウェルプレートと自動分注機を用いることで、多数のモーターの運動測定に必要な作業を同時並行に行うことが可能な実験系の構築を現在行っている。
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