Project/Area Number |
22K15095
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 44010:Cell biology-related
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
二宮 小牧 東北大学, 生命科学研究科, 助教 (30922950)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
|
Keywords | 細胞集団移動 / 上皮細胞 / 組織形成 / 細胞骨格 / カルシウムイオン / Rho GEF / ショウジョウバエ / 機械刺激受容チャネル / アクチン細胞骨格 |
Outline of Research at the Start |
細胞は、運動・形態・増殖などの動態を自律的に制御するメカニズムを持つ。一方で、組織形成の実現には、細胞同士が協調することが重要であるが、個々の細胞が周囲と連携しながら秩序を形成するメカニズムには不明な点が多い。細胞の動態制御には、時空間的に緻密な細胞骨格の再構築が伴う。本研究では、個々の細胞内の骨格再構築を協調的に制御するメカニズムが、集団形成の基盤なのではないかと考えた。申請者の事前研究を基に、Ca2+シグナルによる細胞骨格制御に注目し、培養細胞を用いた詳細な分子経路の解析とin vivoの組織形成過程のイメージング解析を主軸として、多細胞集団の連携メカニズムの普遍原理の理解を目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
細胞は、運動・形態・増殖などの動態を自律的に制御するメカニズムを持つ。一方で、多細胞集団からなる組織形成過程は、個々の細胞が周囲と情報交換・連携しながら動態を制御する仕組みが必要であると考えられるが、未だ不明な点が多い。細胞の動態制御には、時空間的および多段階的な細胞骨格の再構築が伴う。本研究では、培養細胞を用いた詳細な分子経路の解析、およびショウジョウバエの組織形成過程のイメージング解析を主軸として、個々の細胞内の骨格再構築を協調的に制御するメカニズムにおいてカルシウムイオンの役割に注目している。本年度は以下の成果を得た。 (1)哺乳類上皮細胞において細胞間接着構造の制御に寄与することを見出していたRho GEFのPLEKHG4Bが、カルシウムイオンの細胞内流入に応答して細胞間に集積し、接着構造に関わるアクチン細胞骨格構造を増強させる.(2)PLEKHG4BはAnnexinA2との相互作用を介してカルシウムイオン流入依存的に細胞間に局在する. またPLEKHG4BのAnnexinA2結合部位を同定した.(3)PLEKHG4Bが細胞膜に局在するには自身のPHドメインも必要であり、膜脂質PI(4,5)P2との高い特異性を示す. (4)機械刺激受容チャネル(MSC)の阻害もしくは活性を誘導するとPLEKHG4Bの細胞間局在や接着構造のアクチン構造に影響が出ることを示した. またMSCを阻害すると細胞間接着構造(アドへレンスジャンクション)の構成因子の細胞間局在が減衰することを示した.これらについてMSCの中でも少なくともPiezoチャネルが関与していることを示した. これらの成果は国際誌に論文発表し(Ninomiya et al., Mol. Biol. Cell)、細胞間での力の発生が細胞間接着を制御するメカニズムの理解に貢献することが期待される。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は主に哺乳類の培養上皮細胞を用いて、細胞間に負荷させる力刺激に応答して細胞間接着構造が制御される仕組みについて、アクチン細胞骨格制御因子であるPLEKHG4Bに注目しながら詳細に分子経路を明らかにすることができた。ダイナミックな細胞集団内の局所で発生する力刺激に対する細胞応答メカニズムの一端を解明できたことから、今後はこれらの機構が組織形成過程等のより動的な生体内環境でどのように働いているのかを検証するための重要な礎を確立できたと考える。すでにショウジョウバエの発生過程をモデルに、多細胞集団動態に影響を与える機械刺激受容チャネルを同定しており、今後詳細な解析を実施予定である。以上より、本研究は順調に進展していると考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後はショウジョウバエの外生殖器の形態形成をモデルとしたin vivo解析に主軸を置き、細胞集団移動を可能にする細胞同士の協調性の獲得や維持におけるカルシウムイオンの役割を解析する。外生殖器の形成に伴う細胞集団移動に関わるカルシウムイオン制御分子の同定ができているため、これらの詳細な役割を解析する。最終年度であるため、得られた結果を論文にまとめる。
|