Reconstruction of cartilage morphogenesis and growth using limb organoids and analysis on its cellular basis
Project/Area Number |
22K15122
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 44020:Developmental biology-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
堤 璃水 京都大学, 高等研究院, 特定助教 (60876241)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 肢オルガノイド / 四肢発生 / 軟骨形成 / 形態形成 / オルガノイド / 四肢 |
Outline of Research at the Start |
四肢の骨格は、基本的に同じ組織(材料)でありながら、部位や種によって固有の形態に発生し、固有の長さに成長する。しかし、遺伝子発現の差異がどのように細胞挙動に影響を与え、これら形態の差異をうむかは不明である。そこで本研究は、部位・種固有の四肢形態形成を司る細胞メカニズムの解明を目的とする。そのために、ヒト・マウスのES細胞を分化させた細胞を独自の三次元培養法で培養し、位置情報に応じた四肢形態形成および成長を再現する実験系を新たに確立して機能解析を行う。本研究は、骨成長に関する医療分野や人類進化分野への波及効果が期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ヒト・マウスの部位・種固有の四肢 形態形成を司る細胞メカニズムの解明を目的とし、全能性幹細胞を、位置情報を付与したうえで三次元的に培養し、四肢形態形成および成長を培養下で再現する実験系を世界ではじめて確立する。前年度に確立したマウス胚由来の肢間充織からの3次元培養の肢形態形成モデル系において、形態形成が起こる細胞メカニズムを解明するため、細胞の持つ位置情報の違いと細胞分裂性の関係性、細胞接着力の違い、さらに培地に加えたモルフォゲン、および間充織細胞自身が分泌するモルフォゲンに対する化学走性の違いを解析した。さらに、scRNA-seqを行い、それぞれの培養条件、時系列に従った遺伝子発現プロファイルの変化を細胞レベルで解析した。数理生物学者との共同研究で、agent-based modelを作り、以上の細胞パラメターを導入することで、対称性の破れ、および形態変化の条件について可能な仮説をたてた。 一方、ヒトES細胞からの四肢の分化系においては、サリドマイドを作用させたときの遺伝子発現変化をbulk-RNA-seqで解析した。さらに、種間比較を行うため、マウスの近縁種や、ヒトの近縁種で四肢のプロポーションが大きく異なる種のiPS細胞を樹立して、形態形成モデルを作るための共同研究を開始した。 今後は、マウスの形態形成モデルに関しては、数理モデルによって予測した仮説を実験的に検証することで、形態形成における細胞のアルゴリズムを同定し、細胞動態のライブイメージングデータと定量比較することでその妥当性を検証する。さらに、ヒトや、マウス・ヒトの近縁種での形態形成モデルを発展させることで、種間比較の礎を確立する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、昨年度に確立した組織レベルでの形態形成モデルに対して、その細胞メカニズムを詳細に解析する実験系を確立し、大きな進展を得た。また、数理生物学者との密な共同研究により、形態形成の細胞メカニズムを包括的に説明するモデルの構築を飛躍的に進めることができたのは、期待以上の成果であった。グラジエントを導入した培養環境の構築に関しては、目標を達成するまでには至っていないが、形態形成を引き起こすのに十分な細胞・分子メカニズムを明らかにしてこそ有効な方策をたてることができることから、最終年度では自在に形態形成をコントロールできる培養環境操作方法を確立できると考えている。 一方、ヒトES細胞から分化させた肢芽間充織様細胞からの形態形成モデルに関して大きな進展を上げることはできなかったが、この件に関してもマウス胚由来の肢間充織細胞を用いた形態形成の細胞メカニズムで得た理解をもとに、最終年度で肢芽間充織に分化したあとでのさらなる発生の模倣を実現する方策をたてることができると期待している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、マウス胚由来の肢間充織の形態形成モデルについて、特に対称性が破れる細胞メカニズムをかなり詳細に明らかにすることができた。最終年度では、対称性が破れたうえで組織が新調する仕組みを明らかにすることで、実験に裏打ちされた数理モデルを完成させる。それをもとに、本研究で得た理解が実際の生体の肢の形態形成をどこまで説明できるかを検証する。さらに、ここで得た理解をもとに、マウスやヒトES、さらにその近縁種のiPS細胞からの一般的な四肢間充織への分化系を整理し、さらに、マウス胚由来の肢間充織の解析で得た知見をもとに、培養下での形態形成を実現するために重要な細胞パラメータを比較・検証することで、種間比較が可能な実験系を確立する。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)