脊椎動物器官発生における遺伝子制御活性解析による進化と発生の反復傾向の実体解明
Project/Area Number |
22K15133
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 44020:Developmental biology-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
上坂 将弘 東北大学, 生命科学研究科, 助教 (20756499)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | 進化発生学 / 反復説 / エピジェネティクス / 遺伝子発現制御 / EvoDevo / バイオインフォマティクス |
Outline of Research at the Start |
脊椎動物の発生には、進化的に古い特徴から新しい特徴へ順番に現れる傾向があるように見える。研究代表者らは最近、発生過程における遺伝子制御領域の活性動態を解析し、この反復傾向を支持する結果を得た。しかし、この発生胚全体で観察された反復傾向が、どのような遺伝子制御によりもたらされたのか、どのような発生プロセスに関わるのか、その実体については殆ど明らかになっていない。本研究は、多種多様な細胞種を含む全胚レベルの解析では不明だった、反復傾向の遺伝子制御実体を、器官レベルでの解析により明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
脊椎動物の個体発生は、進化的に古い特徴が発生の早い段階に、新しい特徴が後の段階に、順番に現れながら進行する傾向があるように見える。申請者らは最近、発生過程における遺伝子制御領域の活性動態を解析し、この反復傾向を支持する結果を得たが、この傾向の背後にはどのような遺伝子制御や発生プロセスが存在するのかは殆ど明らかになっていない。本研究は、多種多様な細胞種を含む全胚レベルの解析では不明だった、反復傾向の遺伝子制御実体を、器官レベルでの解析により明らかにすることを目指す。 今年度は、サンプルの入手の容易さ、サンプリングの可否、リファレンスゲノムの質を基準に選定した、ニワトリ胚の前肢芽、前脳、心臓、肝臓をサンプルとし、ATAC-seqのライブラリ調整を進めた。発生胚における前肢芽と心臓のATAC-seqライブラリ調整については滞りなく進展しているが、前脳と肝臓については、作製したライブラリのクオリティが十分でなかったため、現在、発生器官サンプルのHomogenizationやTagmentationの条件について検討している。 一方、本研究計画に必要な比較ゲノム解析については、順調に進めることができている。今回対象としたニワトリのゲノムをリファレンスとして、脊索動物12種のゲノム配列を比較した。また、公共のATAC-seqデータを利用できるマウスについても、同様の比較ゲノム解析を完了している。これにより、個体発生時に活性化する遺伝子制御領域の進化的古さを推定するための基盤の準備ができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度はサンプルの一部についてはATAC-seqのライブラリ調整の条件検討を行う必要がでたが、その他のサンプルについては、ライブラリ調整を順調に進めることができた。一方、必要な比較ゲノム解析は完了している。そのため、今年度の進捗状況としては、おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、取得できたATAC-seqデータの解析を行い、整備した比較ゲノム情報をもとに、器官形成時における反復傾向の検証を行う。これにより、反復傾向の遺伝子制御実態を器官レベルの解析から調べていくことを計画している。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)