Project/Area Number |
22K15141
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 44030:Plant molecular biology and physiology-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
北沢 美帆 大阪大学, 全学教育推進機構, 講師 (60759158)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
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Keywords | 被子植物 / 葉脈 / 羽状分岐 / 発生 / 多様性 |
Outline of Research at the Start |
被子植物の葉は、多様な葉脈パタンを示す。この多様性は環境適応の結果であるとともに、それぞれの種の進化的背景を反映している。一般に、単子葉植物は平行脈、双子葉植物は網状脈を持つと言われている。しかし、例外も多数存在する。本研究では、教科書的な区分からすると「例外」である、網状脈を持つ単子葉植物に注目する。葉脈パタンの比較に必要な定量的指標を確立して測定するとともに、数理モデルを用い、多様な葉脈パタンを生み出す発生プログラムの解明をめざす。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、被子植物の多様な葉脈パタンの背後にある発生過程および進化の解明を目的とし、種内の表現型ゆらぎと種間の差に注目した解析を進めている。2022年度までに、葉脈パタンの測定に適した指標を探索し、測定手法を確立した。この測定手法を用い、2023年度はサンプルサイズを増やしての解析をおこなった。取得した葉の画像データは、2022年度以前も加えての累計で、13目22科30種500枚となった。中でも葉脈パタンが明瞭に測定できた真正双子葉植物3科4種について、それぞれ50乃至100枚の葉を解析した。このデータを用い、側脈の数・規則性といった葉脈の基本パタンと、大きさや形といった葉の形態との関係の解析に適した手法を探索した。また、2022年度の解析で得た「葉の大きさに対する側脈の本数・間隔の増加はおおむね種間で共通する一方、側脈間隔のばらつきの程度は種間で異なる」との示唆に対し、季節や発生段階による影響、葉を領域分けしての解析など、より詳細な検討を行った。その結果、2022年度に示した通り、どの種でも側脈の本数・間隔は葉の大きさと正に相関するが、その傾きは種によって、あるいは季節・発生段階によって異なることが明らかとなった。また、種によっては葉の特定の領域で特にばらつきが大きくなることを見出した。さらに、2022年度に予備的に得られていた、葉脈パタンと葉の形状の関係について、より具体的なデータを得た。以上の結果の一部を日本植物学会第87回大会で報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
複数種について比較検討に必要な数の画像を取得し、統計的な解析を行うことができた。また、昨年度末に課題として挙げた、単子葉植物のデータの不足および近縁種間の比較について進捗が得られた。前者については、栽培環境の整備を進め、同種内で形・大きさが異なる葉のデータを得た。後者については、同じ科に属する植物についてデータを得、比較のための準備が整った。数理モデルの構築はやや遅れているが、データの取得及び解析は予定通りまたは予定以上に進んでいるため、全体としては順調であるとした。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、数理モデルの構築を第一の目標とする。葉脈の実測でみられた種間の葉脈パタンの規則性の違いについて、発生過程に基づく数理モデルからの再現を目指す。測定値から、葉脈パタンの規則性は、葉の形、大きさ、発生段階などの影響下にあることが示唆されているため、数理モデル化においては葉そのものの成長を考慮する必要があると考えられる。分裂活性の高い領域の位置による葉の形状の変化など、葉の発生に関する数理モデル構築を行ったうえで、その領域上での葉脈パタン形成を検討する予定である。 並行して、2023年度に引き続いての画像の取得・データ解析を行う。4種だけでは一般的な傾向を見出せているとはいえず、また現時点で未解析の画像データが200枚ほど残っている。系統的な検討に加え、草本、落葉木本など、生態的な検討もできるよう、解析対象の種を引き続き探索する。
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