孔辺細胞における新奇フォトトロピン情報伝達による気孔開口メカニズムの解明
Project/Area Number |
22K15144
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 44030:Plant molecular biology and physiology-related
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
山内 翔太 山口大学, 大学院創成科学研究科, 学術研究員 (70838052)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | フォトトロピン / 気孔開口 / 青色光 |
Outline of Research at the Start |
植物は表皮に存在する気孔を光により開口させることで、二酸化炭素を取り込み光合成を可能にする。最近、青色光受容体であるフォトトロピンが光依存的に気孔孔辺細胞葉緑体のデンプンを分解することで気孔開口を引き起こすことがわかった。しかし、その詳細は不明である。申請者らは青色光による気孔開口に関与する新奇因子を同定し、これがフォトトロピンの下流で機能することを見出した。本研究ではこの因子が光情報を受け取り、デンプン分解を引き起こすメカニズムの全容解明を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
青色光受容体フォトトロピンは青色光依存的に孔辺細胞葉緑体のデンプンを分解することにより気孔開口を促進する。しかし、そのメカニズムには不明な点が多い。 これまでに、気孔孔辺細胞において青色光依存的にリン酸化されるタンパク質を探索し、目的の因子を多数同定した。その中のひとつであるWD-repeat containg proteinにWDRと名前をつけて解析をおこなった。解析の結果、wdr変異体では青色光依存のデンプン分解と気孔開口が阻害されていることがわかった。これはWDRがデンプン分解の鍵因子であることを示唆する。 WDRをリン酸化するキナーゼを同定することを目的に生化学的な解析を行なった。その結果、WDRは青色光照射後直ちにリン酸化されることがわかった。このことからWDRはフォトトロピンの基質であることが示唆された。これを検証するために、フォトトロピンとWDRの全長タンパク質を大腸菌にて作製し、試験管内で反応した。その結果、WDRはフォトトロピンによりリン酸化されることがわかった。また、フォトトロピンとWDRはin vitro, in vivoで相互作用を示すことを示した。また、二分子蛍光補完法を行い、YFPの断片を融合したWDRとフォトトロピンをシロイヌナズナ葉肉細胞に一過的に過剰発現したところ、YFPシグナルが細胞膜と葉緑体包膜に確認された。これらの結果からWDRはデンプン分解を制御するフォトトロピンの基質であることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
WDRがフォトトロピンの基質であることを明らかにし、WDRのリン酸化メカニズムを明らかにしたため。
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Strategy for Future Research Activity |
WDRの機能解析を進め、国際誌に投稿する。またWDRの分子機能を明らかにするために解析を進める。WDRは相互作用因子と結合し、その酵素活性を高めることが示唆される。具体的にはin vitroでWDRとその相互作用因子を作製し、その酵素活性を調べる。また変異体の表現型を調べる。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)