ラマン散乱分光計測と顕微操作系による多細胞性シアノバクテリアの形態形成原理の解析
Project/Area Number |
22K15152
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 44040:Morphology and anatomical structure-related
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
石原 潤一 千葉大学, 真菌医学研究センター, 特任助教 (40732409)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | ラマン散乱分光 / ラマンスペクトル / 多細胞シアノバクテリア / 栄養細胞 / ヘテロシスト / 光合成色素 / マイクロ流体デバイス / シアノバクテリア |
Outline of Research at the Start |
本研究では,ラマン散乱分光計測法を導入することで,従来の蛍光標識法では十分に解析されなかった多細胞性シアノバクテリアの形態形成メカニズムを明らかにする。この計測方法では,様々な生体分子の濃度をラマンスペクトルとして検出するため,今まで標識化が難しかった低分子量のセンサー分子や光合成色素(タンパク質)の発現・局在を,非標識のまま網羅的に解析できる。さらに,分~1時間レベルで引き起こされる分子レベルのダイナミクスを,ほぼリアルタイムで追跡できる。本研究を通して,ラマン散乱分光計測が生命現象の計測に有効であることを示しつつ,代謝を担う生体分子がどのように個体レベルの形態変化を制御するか探る。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は、785 nmの励起レーザーを使用し、多細胞性シアノバクテリア Anabaena. sp. PCC 7120(以下、Anabaena)の栄養細胞とヘテロシストからラマンスペクトルを計測した。これらのスペクトルには、クロロフィルa、βカロテン、フィコシアニン、アロフィコシアニンに帰属されるラマンバンドが含まれていた。本年度、15個の栄養細胞とヘテロシストを無作為に選び出し、そのラマンスペクトルを1細胞ずつ比較した。まず、βカロテンの発現量は、栄養細胞とヘテロシストの間で有意な変化が見られず、βカロテンはヘテロシストに分化した後に分解されないことを明らかにした。一方、その他の3つの色素は、栄養細胞とヘテロシストの間で有意な差が見られ、いずれもヘテロシストで発現量が減少した。特に、分化後のフィコシアニンとアロフィコシアニンの発現量の変化は、クロロフィルaより顕著だった。これは、クロロフィルaが光化学系ⅠとⅡに含まれるのに対し、フィコシアニンとアロフィコシアニンは光化学系Ⅱのみに含まれるためと考察された。ヘテロシストでは、光化学系Ⅱが分解されることが既に知られており、それを支持する結果となった。さらに、これら4つの光合成色素の発現量の相関を栄養細胞で解析したところ、βカロテンと他3つの光合成色素の間に相関は見られなかった。一方、クロロフィルaとフィコシアニン、アロフィコシアニンの間に、それぞれ弱い正の相関がみられた。これは、クロロフィルaの一部が光化学系Ⅱに含まれているためと考察された。最後に、フィコシアニンとアロフィコシアニンの発現量の間に、強い相関がみられた。これは、前述の通り、両者が光化学系Ⅱでフィコビリソーム複合体を形成するためと考察された。以上の解析結果をまとめ、Biochemistry and Biophysics Reports誌に発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の年次計画の通り、栄養細胞とヘテロシストで見られるラマンスペクトルの差異を、定量的に議論でき、その理由を考察できたため。また、計画通り、論文発表を行うこともできた。この進展を踏まえ、顕微鏡下でAnabaenaを培養しながら、栄養細胞を人為的に分化誘導するためのマイクロ流体デバイスを構築していく。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究課程で、一次元状に栄養細胞とヘテロシストが連なったAnabaenaにおいて、栄養細胞がヘテロシストから離れた位置に存在すると、フィコビリソームを構成するフィコシアニンやアロフィコシアニンの含有量が低下するのではないかという示唆が得られた。そこで、ヘテロシスト近傍に存在する栄養細胞と、ヘテロシストから離れた位置に存在する栄養細胞の間で、各光合成色素の発現量がどのように異なるかを詳細に解析する。これにより、蛍光顕微鏡の精度では迫れなかった光合成色素のわずかな発現量の変化を検討し、フィラメント内の位置情報を鑑みた光合成色素の分布について検証する。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)
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[Presentation] A critical role of the periplasm in copper homeostasis in gram-negative bacteria2023
Author(s)
Jun-ichi Ishihara, Tomohiro Mekubo, Chikako Kusaka, Suguru Kondo, Ryotaro Oiko, Kensuke Igarashi, Hirofumi Aiba, Shu Ishikawa, Naotake Ogasawara, Taku Oshima, Hiroki Takahashi
Organizer
The 9th Global Network Forum on Infection and Immunity: Neo Mycology
Related Report
Int'l Joint Research
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