Project/Area Number |
22K15154
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 44040:Morphology and anatomical structure-related
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
坂下 美咲 東京理科大学, 創域理工学部生命生物科学科, 助教 (70907394)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
|
Keywords | 骨形態形成 / 魚類椎骨 / コラーゲン / メカニカルストレス / 走査型電子顕微鏡(SEM) / 配向最適化 / 力操作 / 磁力 / 骨芽細胞 / SEM / コンピュータシミュレーション |
Outline of Research at the Start |
脊椎動物の骨は多様な形を示す.これらの形は共通して,骨芽細胞による骨の付加が場所を変えながら繰り返されることでつくられる.本研究では,骨芽細胞がどのようにして骨を加える部位を決め,そこに移動するのか明らかにすることを目指す.先行研究では,骨に力が加わると骨の付加が進むとわかっている.そこで本研究では,骨の外から加わる力と骨芽細胞の分布の関連を調べる.研究対象には,外力と骨の形に関連が見られる魚の椎骨を用いる.外力操作実験とコンピュータシミュレーションによって,外力に基づいた骨形態形成原理の説明を試みる.
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では骨の形態形成メカニズムの解明を目的として、骨の基質であるコラーゲン線維の配向が力に依存して変化し、骨の形成方向の制御に寄与すると仮説を立てている。この仮説を検証するために、形態と力の関連が示唆されている魚類椎骨を対象として、数理モデルによる形態形成の再現と、観察および実験による外力依存的なコラーゲン線維の配向変化の調査を進めている。 前年度までは、骨の形成方向とコラーゲン線維の配向の関連について記載が不足していたため、当該年度ではまず、ゼブラフィッシュを用いて椎骨のコラーゲン線維の配向を発生段階ごとに記載した。走査型電子顕微鏡を用いて椎骨を観察した結果、側面に頭尾軸方向の板状構造が形成される前後で、線維の配向の変化が見えた。加えて、線維の配向と板状構造の形成方向には関連が見られた。この結果から、線維の配向が変化することで、頭尾軸方向への骨の形成が促されている可能性を示すことができた。また、椎骨側面の板状構造は、椎骨に加わる荷重に依存して形成されることが数理モデルから推定されているため、荷重の付加に応じてコラーゲン線維の配向が変化すると考えられた。 さらに、メカニカルストレスの感知に関わるチャネルの作動薬をゼブラフィッシュに添加すると、側面構造の形成時期が早まった。前年度に行った鉄粉と磁石による荷重付加実験でも、通常は側面構造のない時期に側面構造の形成を確認できたことから、メカニカルストレスへの応答が椎骨の形態形成を促していることを支持する結果が揃いつつある。 数理解析については、線維の配向と異方性の度合いを考慮した数理モデルの改良が進みつつある。モデルが構築できれば、上記の実験結果と比較しながら、骨の基質レベルでの形態形成過程の説明が可能になる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
走査型電子顕微鏡と免疫染色による観察から、コラーゲン線維の整列と側面構造の形成が対応することを発見できた。この観察方法を、前年度に構築した荷重付加の実験系に適用することで、本研究の目的である、コラーゲン線維の配向の変化における荷重の影響を調べる方法が整った。また、配向最適化に基づいた数理モデルと配向観察の結果が対応する箇所も見えており、実験と数理解析の統合は順調に進んでいるといえる。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度は、荷重付加によってコラーゲン線維の配向がどのような仕組みで変化するのか、主に骨芽細胞の動態に着目して調べる。そのために上述の荷重付加実験と、走査型電子顕微鏡と免疫染色を用いた線維配向の観察を組み合わせる。また、今年度に確立できた脊椎の培養系を用いると、骨芽細胞のライブイメージングが可能であるため、培養系を併用して荷重に応じた骨芽細胞の動態変化をより詳細に調べる。その後、これらの実験結果と配向最適化モデルの対応関係を記述することで、椎骨の形態形成メカニズムをin vitro、in vivo、in silicoの多階層的なアプローチで理解していく予定である。
|