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真核生物の多分裂細胞周期の進化を担う分子機構の解明

Research Project

Project/Area Number 22K15166
Research Category

Grant-in-Aid for Early-Career Scientists

Allocation TypeMulti-year Fund
Review Section Basic Section 45020:Evolutionary biology-related
Research InstitutionNational Institute of Genetics

Principal Investigator

山下 翔大  国立遺伝学研究所, 遺伝形質研究系, 博士研究員 (60910940)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2022)
Budget Amount *help
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Keywords多分裂細胞周期 / 単細胞紅藻 / 細胞周期 / 多分裂 / 微細藻類 / 多細胞化
Outline of Research at the Start

動物の卵割にみられるような、成長を伴わずに細胞分裂が複数回起こる多分裂細胞周期は、様々な系統の生物において祖先的な2分裂細胞周期から進化してきたが、その進化の分子基盤は未解明である。本研究ではボルボックス系列緑藻とイデユコゴメ類紅藻という多分裂細胞周期を独立に進化させた2つの系統の藻類を用いて、その細胞分裂、細胞周期を制御する分子機構を詳細に比較解析し、それら分子機構がどのように進化することで多分裂細胞周期が獲得されたかを解明することで、生物界に普遍的な多分裂細胞周期の進化原理を明らかにする。

Outline of Annual Research Achievements

多分裂細胞周期の分子機構の解明にあたり、所属研究室で遺伝的改変技術が盛んに開発され整備されている単細胞紅藻のシアニジウムの解析から着手した。シアニジウムは一倍体が2分裂で増えるのに対し、二倍体は多分裂による4内生胞子性である。一倍体と二倍体を明暗周期により同調培養し、細胞周期の各段階のRNA-seq解析を行なった結果、二倍体の分裂期にのみ発現するE2Fパラログが見出され、二倍体での多分裂に寄与している可能性が考えられた。
シアニジウムの一倍体の形質転換実験により、E2Fパラログの過剰発現株、ノックアウト株を作出した。両形質転換ともに一倍体細胞では明確な表現型がみられなかったため、形質転換体の二倍体化を試みたが、二倍体細胞は得られなかった。
そこで、国内の沼尻温泉、蔵王温泉、草津温泉よりシアニジウム(二倍体細胞)を採集し、細胞を単離して新規培養株を確立し、実験に用いることとした。得られた二倍体細胞からは盛んに一倍体が形成され、また、一倍体細胞を単離して培養すると自己二倍体化によって二倍体細胞が高頻度で形成される様子も観察された。
新規培養株の一倍体を用いた形質転換実験により、これまでに用いていた培養株と同様のE2Fパラログの過剰発現株、ノックアウト株を作出することに成功した。現在、この形質転換体の自己二倍体化処理を行なっており、二倍体が単離され次第表現型の解析を行なっていく予定である。
また、多分裂による8~16内生胞子性である単細胞紅藻ガルデリアについて、光合成を行なう独立栄養条件と、外部から糖を吸収して成長する従属栄養条件の比較RNA-seq解析より、一部の細胞周期関連遺伝子の発現が異なることが明らかとなった。また、光学顕微鏡観察より細胞分裂回数や分裂に移行する細胞サイズが異なる可能性も示唆された。現在、ガルデリアの栄養条件における分裂様式の差異についても解析を進めている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

現在までにシアニジウムについては一倍体/二倍体間で発現が大きく変化する細胞周期関連遺伝子の同定に至っており、その機能についてもまもなく解析できる段階にある。形質転換実験において既存の培養株では二倍体化が起こらないことが判明したが、その解決策を講じる過程で新たな実験材料や、シアニジウムの世代交代などの特性についてのさらなる知見も得られた。これは、今後シアニジウムの一倍体/二倍体の分裂様式切り替えについてより詳細に解析していく上で重要である。また、より分裂回数の多いガルデリアについては栄養条件などで分裂回数や分裂に移行する細胞サイズが異なることも示唆されており、その調節に関わる細胞周期遺伝子の候補も見出されている。すなわち、本研究課題はおおむね順調に進展していると考えている。

Strategy for Future Research Activity

引き続きシアニジウムの二倍体特異的E2Fパラログの過剰発現株、ノックアウト株の表現型解析によるE2Fパラログの機能の解明と、それを手がかりとしたシアニジウムでの一倍体/二倍体でのG1/S移行複合体構成因子の動態解析を進めていく。また、ガルデリアについては、細胞分裂回数や分裂に移行する細胞サイズの栄養条件による影響をさらに詳細に解析するとともに、分裂回数の制御に関わっている可能性のある細胞周期関連遺伝子について、所属研究室で開発されているガルデリアの形質転換法を活用した機能解析も進めていく。

Report

(1 results)
  • 2022 Research-status Report
  • Research Products

    (3 results)

All 2023 2022

All Presentation (3 results)

  • [Presentation] 単細胞生物から多細胞生物への進化を“群体性”緑藻で解き明かしたい!2023

    • Author(s)
      山下翔大
    • Organizer
      日本藻類学会第47回大会
    • Related Report
      2022 Research-status Report
  • [Presentation] ボルボックス系列緑藻アストレフォメネの発生学的解析とゲノム解読を用いた多細胞形質の平行進化に関する研究2022

    • Author(s)
      山下翔大
    • Organizer
      日本植物形態学会第34回大会
    • Related Report
      2022 Research-status Report
  • [Presentation] 単細胞紅藻Galdieria partitaの従属栄養成長に応答した細胞の白色化の解析2022

    • Author(s)
      山下翔大、廣岡俊亮、藤原崇之、宮城島進也
    • Organizer
      日本植物形態学会第34回大会
    • Related Report
      2022 Research-status Report

URL: 

Published: 2022-04-19   Modified: 2023-12-25  

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