Project/Area Number |
22K15173
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 45030:Biodiversity and systematics-related
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Research Institution | National Museum of Nature and Science, Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 真央 独立行政法人国立科学博物館, 動物研究部, 日本学術振興会特別研究員 (30909388)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 感丘 / ハゼ亜目 / 個体成長 / 側線系 / テンジクダイ科 / 魚類 / 形態的多様性 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は,魚類における水流を感受する感覚器の形態的多様性とその進化的意義の一端の解明である.魚類は感丘とよばれる感覚器によって水流を感受できるが,感丘の個数や配置は種やグループによって大きく異なる.本研究は,体表に著しく多数の感丘をもつ種とそうでない種を含むグループに注目し,感丘の機能形態と形成過程について種間比較することで,感丘の増加の適応的意および増加を可能としている個体成長上の特徴を明らかにする.
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は表在感丘の感受方向性における種間差について研究を進めた.スズキ系魚類では一般的に,表在感丘(体表に存在する感丘)は前後方向か背腹方向の刺激に対して高い感受性をもつものがほとんどであるが,ハゼ亜目魚類ではそれら二方向から外れている「斜め」の感受方向をもつ表在感丘があることが知られている.本年度では,ハゼ亜目以外や,ハゼ亜目のなかでも先行研究で用いられた種よりも複雑な側線系をもつ種を対象として,電子顕微鏡や神経染色により感丘を観察し,感丘群毎の感受方向性と種間での対応関係を調べた.その結果,神経支配の観点からは,ハゼ亜目魚類においては「斜め」の感受方向をもつ表在感丘群は他の分類群では側線管内に発達する感丘(管器感丘)と相同な要素であり,それ以外の前後方向か背腹方向の感受方向をもつ感丘群は原始形質としてハゼ亜目以外にも共通に存在する要素と考えられた.ハゼ亜目魚類の表在感丘の一部が管器感丘に由来することは以前から明らかにされてはいたが,由来が異なる感丘群間における感受方向性の差異は十分に明らかにされてはいなかった.また,退化した側線管内の管器感丘に由来する表在感丘要素のほとんどは,本来側線管があった部位に存在するが,一部の要素はそこから外れた部位に位置し,かつ感受方向性もやや独特であることが疑問点(矛盾点)として残っていた.そこで側線管を保持している種やそれに近縁なグループについて観察を進めたところ,側線管(眼下管)が退化するよりも以前に,眼下管内にハゼ亜目に特有な管器感丘が出現していた可能性が高いことを示唆する結果が得られた.これらの情報は,様々な感受方向の表在感丘をもつ種がどのような形態的変化の組み合わせによって現れたかを議論するうえで重要といえるだろう.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究が注目する現象である感丘の機能形態の多様性について,解剖学的側面からどのような形態学的変化により多様化したかの一端を明らかにできたといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
頭部については十分なデータが得られたため,今後は駆幹部を中心に研究を進め,全身の感丘をカバーした知見とする.
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