Project/Area Number |
22K15191
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 45050:Physical anthropology-related
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
石塚 真太郎 東邦大学, 理学部, 訪問研究員 (50882263)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 父系社会 / ボノボ / チンパンジー / 移籍 / DNA / 近親交配 / 集団間移籍 / 分散 |
Outline of Research at the Start |
ヒト亜科で見られる父系社会の中で、メスは近親交配を回避するために集団間を移籍すると説明される。ところがメスにかかる近親交配リスクについては、定量的な評価がなされていない。メスにかかる近親交配リスクの変異はオスの繁殖の偏りによって変動し、その変異はメスの移籍の有無に影響している可能性がある。本研究では父系社会を形成し、メスの移籍に多様性が見られるヒト亜科のボノボとチンパンジーを対象とし、各メスにかかる近親交配リスクを、遺伝学的手法を用いて評価する。長期観察によって各メスの移籍の有無を記録し、各メスの近親交配リスクが移籍の有無に影響しているか否かを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
オスが出自集団に留まる「父系社会」は、初期人類などヒト亜科でよく見られる社会である。父系社会の中で、メスは近親交配を回避するために集団間を移籍す ると説明される。ところが父系社会の中のメスにかかる近親交配リスクについては、これまで定量的な評価がなされていない。父系社会の中のメスにかかる近親 交配リスクは、オスの繁殖の偏りに応じて変動し、その変異はメスの移籍の多様性を生み出している可能性がある。そこで本研究では父系社会を形成し、メスの移籍に多様性が見られるヒト亜科のPan属2種・ボノボとチンパンジーを対象とし、両種のメスの近親交配リスクおよび移籍の頻度について分析を進めている。 2023年度も前年に引き続き、糞試料からDNAの抽出およびホストのDNAの定量を進めた。また、前年に設計した実験系を用い、チンパンジーおよびボノボの常染色体上マイクロサテライト8座位の遺伝子型の解析、およびミトコンドリアDNAコントロール領域約600 bpの塩基配列の決定を進めた。また、ボノボの調査地であるワンバ地区の長期研究が50年を迎えたことを記念し、書籍"Bonobos and People at Wamva: 50 Years of Research"の執筆(分担)をおこなった。さらにはこれまでに進めてきた成果についての考察を深めるため、信州大学の研究者との研究打ち合わせを実施し、チンパンジーのメスの移籍の地域間変異について議論した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
著書の執筆のためのレビューワークに時間を要したため、野外調査や遺伝解析については予定していたよりも進展しなかった。一方で、レビューワークや学外の研究者との議論の中で、新たな解析方法の着想を得た。今後はその解析手法を修得し、本研究課題の遂行に役立てる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り、ボノボ・チンパンジーのマイクロサテライトのジェノタイピングおよびミトコンドリアDNAコントロール領域の塩基配列の決定を進める予定である。また、異動先の研究機関に運用されている次世代シークエンサーを使用し、一塩基多型の解析や、すでに収集済みの糞の内容物を解析するDNAメタバーコーディングの実験系の確立も検討する。実験系の確立に成功した暁には本解析を実施する。
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