Project/Area Number |
22K15194
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 45060:Applied anthropology-related
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
加藤 智一 日本大学, 医学部, 助教 (10786346)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 内頸静脈弁 / 頭低位 / 内頸静脈 / 頭低位負荷 / ヘッドダウンティルト |
Outline of Research at the Start |
無重力環境では、ヒトの体液分布は頭側へ偏位するため、地上で頭低位状態になることに類似する。四足歩行動物では、静脈血が心臓から頭蓋内へと逆流しないように頸部の静脈弁が発達している。ヒトにも内頸静脈弁が存在することが知られているが、その存在割合については個人差が大きい。頭低位時に、ヒトの内頸静脈弁が頭蓋内への静脈血の逆流を防いでいると考えられるが、未だ検討されていない。本研究では、超音波検査機器を用いて、内頸静脈弁の有無を確認し、内頸静脈断面積とパルスドプラ法によって得られる血流速度波形から頭低位負荷中の逆流血液量を算出し、内頸静脈弁の有無の違いによって、逆流血液量に差が生じるか否か検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、実験機材の準備、実験室の感染予防対策、倫理委員会申請、大学病院医療情報ネットワークセンター(UMIN)登録、予備実験を実施した。 具体的には、超音波検査機器で描出される内頸静脈および内頸静脈弁の画像データや超音波ドップラーによる血流波形を動画データとして、外部出力し、デジタルデータとして保存できるように、録画機器やアダプター等の周辺機器を購入するなどし実験環境を整えた。画像・動画データを外部出力する際に、超音波検査機器に外部機器との接続するための端子がなかったため、ミニドックを新たに購入した。また、文部科学省の「感染拡大の予防と研究活動の両立に向けたガイドライン」に基づいた対策を行い、研究者と被験者との間で、十分な感染予防が行えるようにした。先行研究から、健康被験者の内頸静脈弁の存在有無に関する情報が十分になかったため、第一段階の実験として、健康被験者の内頸静脈弁の存在割合を調査する研究計画を立案した(研究名称:超音波検査機器を用いた内頸静脈弁の存在有無に関する調査)。この研究において、日本大学医学部倫理委員会の承認を得るために、倫理委員会の申請書類を作成し、審査の結果、2022年11月16日に承認を得た(医倫承2022-09)。被験者説明用の資料や募集のポスターを作成し、被験者の募集を開始できるように準備を整えた。大学病院医療情報ネットワークセンター(UMIN)に上記研究を登録した(UMIN000050776)。予備実験として、現在所有する超音波検査機器とリニアプローブを用いて、内頸静脈や内頸静脈弁を同定できることを確認した。パルスドプラ機能を用いて、内頸静脈内の静脈血流波形を描出するために、最適な設定(スラント、ストロークボリューム、検査時の体位など)について、専門書や熟練の臨床検査技師に相談するなどし検討した。実験ノートを作成し研究実施内容を記録した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画段階は、2022年度は、実験機材の準備、実験室の感染予防対策、倫理委員会申請、被験者募集の開始、健康被験者を対象に、内頸静脈弁の存在有無の確認を実施する予定だった。 当初の予定通り、2022年度内に、超音波検査機器によって得られた画像・データを外部出力し、デジタルデータをして保存できるシステムを構築するなど実験環境を整備した。また、文部科学省の「感染拡大の予防と研究活動の両立に向けたガイドライン」に基づいた対策を行い、研究者と被験者との間で、十分な感染予防が行えるようにした。倫理委員会に申請し、本研究実施のための承認も得ている。 しかし、当初の予定では、2022年度内に被験者の募集を開始し、内頸静脈弁の存在有無について調査を開始する予定だった。被験者の募集の方法として、研究代表者が所属する大学構内にポスターを掲示し、大学生を中心に募集する計画だった。しかし、COVID-19の感染の影響により、大学の大部分の講義がオンライン化され、登校する学生が激減し、それに加え、外部施設からの施設内への入構が制限されていたため、被験者を募集することが非常に困難だった。そのため、COVID-19の感染が沈静化し、感染対策の基準が緩和した2023年以降で、被験者の募集を開始する予定とした。従って、被験者募集が開始できていないため、研究の進捗状況としてはやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度に開始できなかった被験者募集を進める。2023年度は、大学講義が対面化することによって、登校する学生が激増することが予想される。学生が集まりやすい場所に被験者募集ポスターを掲示する。一度に大人数の被験者を確保できるように、大きな講堂で研究説明会を実施し、被験者の確保を加速させ、研究進捗の遅延を挽回する。 研究説明会で、研究内容および注意事項についてパワーポイントスライドや書面の研究説明書を使用して説明する。研究参加の同意書を得た対象者に対して、問診や既往歴の聴取を行い、循環器系の疾患や治療中の疾患がないことを確認する。内頸静脈弁の有無の検査については、研究室にあるティルトベットに仰臥位の状態で実施する。50名の被験者に対して、両側の内頸静脈弁の有無を確認し、内頸静脈弁の「両側存在群」、「片側存在群」、「両側欠損群」に分類し、各群の割合を明らかにする。 また、初期段階では、前述の被験者募集に並行し、超音波検査機器を使用して、内頸静脈弁の有無を確認する手順について確立させる。特に、現在完了した予備実験から、内頸静脈弁が存在する内頸静脈と鎖骨下静脈の合流部を超音波検査機器で描出しづらい例がいることが判明し、このような例について、超音波プローブの種類を変更するなど試す。また、超音波プローブを頸部の皮膚に当てた際に、容易に内頸静脈が変形し、内頸静脈弁の有無や内頸静脈断面積、血流速度に影響を及ぼす。静脈変形を防ぐためのプローブ固定具などの作成を検討し試作する。また、研究協力者に超音波検査機器を用いて内頸静脈弁の有無を検索できる技術を教育し、二人体制で内頸静脈弁の有無を判定できるように体制を整える。2023年10月頃までに、目標被験者数に対して、調査が完了できれば、同年11月に開催される第69回日本宇宙航空環境医学会大会で結果報告をおこなう。
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