Project/Area Number |
22K15212
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 46020:Anatomy and histopathology of nervous system-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
内藤 泰樹 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (10895923)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 大脳新皮質 / 神経発生 / ダウン症 / 神経前駆細胞 |
Outline of Research at the Start |
ダウン症はヒト21番染色体のトリソミーに起因し、その脳では、大脳新皮質を含む様々な脳領域での神経細胞数の減少、脳容積の低下が認められる。これは発生期脳における神経細胞の産生量が低下することによるものであると推察されるが、ヒト21番染色体上のどの遺伝子の発現量の増加によって、神経細胞産生のどの過程が影響を受けているのかについては、理解は十分には 進んでいない。本研究では、ダウン症モデルマウスを利用して、大脳新皮質を構成する錐体細胞および抑制性の介在ニューロンの産生異常を細胞レベルおよび分子レベルで明らかにすることを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
ダウン症はヒト21番染色体の3倍体化を原因とする疾患であり、精神遅滞や身体的発達の遅延といった症状がみられ、大脳新皮質を含む様々な脳領域で神経細胞数が減少することが報告されている。近年、ダウン症モデルマウスを用いて脳発生を研究することによって神経細胞が減少するメカニズムやグリア細胞数が変化するメカニズムが明らかにされてきているが、ヒト21番染色体のどの遺伝子の発現量の変化によって、神経発生のどのプロセスが影響を受けているのかについて、充分には理解が進んでいない。 本研究では、ダウン症モデルマウスを用いて、大脳新皮質を構成する興奮性神経細胞と抑制性介在神経細胞の産生異常のメカニズムを細胞レベル、分子レベルで明らかにすることを目的とする。大脳新皮質の興奮性神経細胞は発生期大脳新皮質の脳室帯に存在する神経前駆細胞から中間前駆細胞が生み出され、その中間前駆細胞がさらに分裂することで生み出される。これまでの研究により、ダウン症モデルマウスにおいて、中間前駆細胞の自己複製の割合など中間前駆細胞の性質が変容していることが示唆されていた。本年度は、前年度に特定した中間前駆細胞の性質変容の原因遺伝子をダウン症モデルマウスの中間前駆細胞において3倍体化から2倍体化する遺伝子改変マウスを作製した。この遺伝子改変マウスを解析することによって中間前駆細胞の性質変容がダウン症モデルマウスの脳発生異常に与える影響の解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画通りに順調に進んでいる。ダウン症モデルマウスにおける中間前駆細胞の性質変容に関わる遺伝子を特定し、その遺伝子をダウン症モデルマウスの中間前駆細胞において3倍体化から2倍体化にする遺伝子改変マウスを作製した。現在作製した遺伝子改変マウスの表現型の解析を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究により、ダウン症モデルマウスにおいて中間前駆細胞の性質を変化させる原因遺伝子の特定ができた。また中間前駆細胞特異的にCreリコンビナーゼを発現するマウスとCre存在下で遺伝子をノックアウトするfloxマウスを組み合わせることでダウン症モデルマウスにおいて中間前駆細胞において原因遺伝子を3倍体化から2倍体化にする遺伝子改変マウスを作製した。今後は作製したマウスを解析することによってダウン症モデルマウスにおける中間前駆細胞の性質変化が原因遺伝子の2倍体化によって正常化しているかどうか、さらには中間前駆細胞の性質変化がダウン症モデルマウスの大脳新皮質発生においてどのような異常をもたらしているかを明らかにする。抑制性神経細胞に関しては内側基底核原基に存在する神経前駆細胞数が変化していることが示唆されたが、どのようなメカニズムによって神経前駆細胞数が変化するかは不明である。そこで本研究では、ダウン症モデルマウスにおいて内側基底核原基に存在する神経前駆細胞数の変化をより詳細に解析するとともに、神経前駆細胞の分裂様式の解析を行うために内側基底核原基に存在する神経前駆細胞の培養系を構築する。その培養系でダウン症モデルマウスにおいて神経前駆細胞の性質がどのように変化しているかを調べ、さらにヒト21番染色体上のどの遺伝子が原因となっているのか明らかにする。
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