Project/Area Number |
22K15217
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 46030:Function of nervous system-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉澤 知彦 北海道大学, 歯学研究院, 助教 (70825744)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | ストリオソーム / マトリックス / ドーパミン / 連合学習 / ファイバーフォトメトリー / dLight1 / 線条体 / ストリオソーム/マトリックス / 報酬予測 |
Outline of Research at the Start |
大脳基底核の主要な入力部位である線条体は「ストリオソーム」と「マトリックス」という 2つのコンパートメントから構成されている。ストリオソームとマトリックスの神経細胞は共に将来得られる報酬の予測に関与する一方で、報酬予測の時間的活動パターンに大きな違いがある。本研究ではストリオソームとマトリックスで、異なる時間的活動パターンが生じるメカニズムを解明する。具体的には、報酬予測の教師信号である神経伝達物質ドーパミンの分泌をコンパートメント選択的に計測し、連合学習時のストリオソーム/マトリックスにおけるドーパミンダイナミクスの相違を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
大脳基底核の主要な入力部位である線条体は「ストリオソーム」と「マトリックス」という2つのコンパートメントから構成されている。研究代表者はこれまで、ストリオソームとマトリックスの神経細胞は共に将来得られる報酬の予測に関与する一方で、報酬予測の時間的活動パターンに大きな違いがあることを報告してきた。本研究課題ではストリオソームとマトリックスで、異なる時間的活動パターンが生じるメカニズムを解明する。具体的には報酬予測の教師信号である神経伝達物質ドーパミンの分泌動態をコンパートメント選択的に計測し、ストリオソーム/マトリックスにおけるドーパミンダイナミクスの相違を明らかにする。2023年度はマトリックス神経細胞選択的に遺伝子組換え酵素Creが発現する遺伝子改変マウス(Matrix-Creマウス)を米国から輸入後、繁殖を開始して安定的な供給体制を整えた。Matrix-Creマウスにアデノ随伴ウイルスを使ってCre依存的にドーパミンセンサーdLight1を導入できることを組織学的に確認した。2022年度に導入したストリオソーム神経細胞にCreを発現するマウス(Striosome-Creマウス)とともに線条体コンパートメント特異的なドーパミン計測を実施した。Striosome-CreマウスとMatrix-Creマウスに、報酬を用いて光とリッキング行動を連合づけるオペラント条件づけを行った。条件づけ中の細胞外ドーパミン濃度の変化によるdLight1の蛍光変化をコンパートメント選択的にファイバーフォトメトリー法によって記録した。その結果、ストリオソームとマトリックスでは報酬に対するドーパミンダイナミクスが異なっていた。2023年度は本研究課題に関連した成果として、査読付英文雑誌論文1件、国際学会1件、国内学会2件、ワークショップ1件の発表実績があった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、2023年度にはMatrix-Creマウスの繁殖を軌道に乗せ、Striosome-Creマウスも使ってコンパートメント選択的にドーパミンファイバーフォトメトリーができる体制を整えた。そしてストリオソームとマトリックスで異なるドーパミンダイナミクスを見つけることができた。また本研究課題と関連した研究成果を査読付英文雑誌論文として発表できた。以上のことから、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
1) 論文投稿に向けて、ストリオソームとマトリックスで異なるドーパミンダイナミクスがみられた実験条件で再現性を確認する。 2) ストリオソームとマトリックスのドーパミンダイナミクスに違いを生じさせるメカニズムを調べる。ストリオソーム神経細胞には内因性オピオイドDynorphinの前駆物質Prodynorphinの遺伝子が発現している。Dynorphinは線条体のドーパミン神経細胞軸索末端部に存在するkappa-opioid receptor(KOR)に結合してドーパミン分泌を抑制することが知られているため、 ストリオソームのドーパミンダイナミクスにDynorphinが及ぼす影響を調べる。
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