Project/Area Number |
22K15228
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 46030:Function of nervous system-related
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
藤田 博子 高知大学, 医学部附属病院, 薬剤師 (40322705)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 嗅覚コミュニケーション / 個体認識 / ブルース効果 / 副嗅覚系 / 可塑的変化 / 分子基盤 / 嗅覚系 / 学習記憶 / 神経回路の可塑的変化 |
Outline of Research at the Start |
妊娠雌マウスによる交配雄フェロモンの刷り込み学習(交配雄とは異なる系統の雄の匂いに曝露すると流産する)は動物行動学でブルース効果として知られている。この現象の基盤となる副嗅球神経回路の細胞、分子レベルでの可塑的変化過程の詳細はまだよくわかっていない。本研究では、神経接着分子Olfactory Cell Adhesion Molecule(OCAM)が関与して神経回路にダイナミックな変化を引き起こすとの仮説を設定し、行動学的解析、電気生理学的解析、解剖形態学的解析を組み合わせて神経可塑性の普遍的原理の一部を明らかにすることを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
動物行動学でブルース効果として知られている妊娠雌マウスによる交配雄フェロモンの刷り込み学習(交配雄とは異なる系統の雄の匂いに曝露すると流産する)は、この現象の基盤となる副嗅球神経回路の細胞、分子レベルでの可塑的変化過程の詳細がまだよくわかっていない。 本研究の目的は、アメフラシやショウジョウバエで記憶学習に関与が報告されている神経接着分子apCAMや Fasciculin IIに類似するホモログ(相同遺伝子)である神経接着分子Olfactory Cell Adhesion Molecule(OCAM)が関与して神経回路にダイナミックな変化を引き起こすとの仮説を設定し、細胞及び分子レベルでの副嗅球神経回路の可塑的変化過程を明らかにすることである。 本年度は昨年に引き続き副嗅球スライスにて電気生理実験を行い、OCAM分子の有無による電気生理的な特性の変化を調べた。令和5年度に行ったOCAM遺伝子欠損マウスを用いた記憶モデルの一つであるLong Term Potentiation (LTP)実験では、誘導期の前期長期増強に異常があり、ポストシナプス(顆粒細胞)側に異常がある可能性が示唆された。本年度はLTP誘導時の刺激と薬理学的修飾の影響を検討したが、結論まで至らず、継続して検討することとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画に上げた内容の個々の実験については概ね順調に進んでいるが、一部解析とその結果をもとに行う実験がやや遅れ気味である。 OCAM遺伝子欠損マウスを用いたLong Term Potentiation (LTP)実験では誘導期での異常を認めたため、本年度は、より強い誘導条件や薬理学的修飾により、OCAMの機能欠損が補償される可能性を検討した。LTP誘導期前期長期増強および誘導された後のLTPの維持相の変化への影響を現在、継続的に検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度からの継続分にあわせて下記の実験を進める。 ①形態学的手法にて副嗅覚系でのOCAMの発現細胞と発現時期の解析を行う。活動依存的な変化に着目して、電気生理実験のスライス標本で電気刺激後の発現の変化も検討する。 ②行動実験でブルース効果にOCAMが関与しているかを調べる。また、行動実験で検出が困難な場合は、神経内分泌変化や免疫組織化学的変化での検出を行う。
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