Project/Area Number |
22K15239
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 47010:Pharmaceutical chemistry and drug development sciences-related
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小島 正寛 北海道大学, 薬学研究院, 助教 (90824714)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2023-03-31
|
Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
|
Keywords | 重水素 / 医薬化学 / 光反応 / ラジカル / 金属触媒反応 |
Outline of Research at the Start |
本研究では光エネルギーと入手容易な重水素源である重水(D2O)を活用した医薬様分子のラジカル的重水素化を実現する新たな方法論の開発を目指す。水系溶媒とアスコルビン酸、コバルト・光協働触媒を用いるラジカル的水素化を研究の基盤に、重水中、平衡で生成するd4-アスコルビン酸を介して重水から重水素を取り込み、重水素原子移動(Deuterium Atom Transfer: DAT)によるアルケンの重水素化を行う。DAT機構はそのラジカル的な特性ゆえに極性官能基の共存下でも効率的に進行すると期待され、官能基が密集した医薬様分子への重水素導入に有効な方法論となりうると期待される。
|
Outline of Annual Research Achievements |
医薬化学において有用性の高い重水素を含む新規ビルディングブロックの創出を指向し、触媒的なアルケンの重水素化反応の開発研究を行った。申請者のこれまでの研究においてアルケンの触媒的水素化に有効であったコバルト触媒と光触媒の協働触媒系に着想を得て、重水とアスコルビン酸から発生させたアルコルビン酸-d4を重水素源として用いることで、電子不足アルケンの化学選択的な重水素化反応の開発に成功した。この重水素化反応は既存の不均一系触媒と重水素ガスを用いる重水素化反応とは一線を画するユニークな官能基許容性を有し、多様な官能基を保持したメディシナルケミストリーにおいて有用性の高い含重水素ビルディングブロックの創出が可能であった。さらに今回開発した触媒的重水素化手法は複雑分子のlate-stage変換にも応用可能であり、医薬品の重水素化アナログであるドネペジル-d2の合成にも成功した。実験化学と理論化学の両面から実施した反応機構解析研究の結果、本反応はラジカル的なメカニズムによって進行していることが支持された。この結果はアリールハライド等の官能基に対して高い直交性を有する本反応の基質一般性検討の結果と矛盾しないものであり、合理的な結果であると考えている。今後は重水素化可能なアルケンの置換パターンの拡大、および電子豊富なアルケンの重水素化への応用が課題であり、コバルト触媒と光触媒を用いた新たな反応メカニズムを実現することで、この課題の解決を図る計画である。
|