Project/Area Number |
22K15246
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 47010:Pharmaceutical chemistry and drug development sciences-related
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
本田 諒 岐阜大学, 大学院連合創薬医療情報研究科, 准教授 (00820143)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | KRAS / 分子標的薬 / 抗がん剤 / 細胞膜透過性ペプチド / RAS / がん / RAS阻害剤 |
Outline of Research at the Start |
本研究で取り組むのは以下の3つの事項である。①本剤の合成展開:100種類以上の誘導体を合成する。②他抗がん剤との併用効果の検証:既存の抗がん剤との併用によって、マウスモデルでの腫瘍の退縮を目指す。③がん病態を忠実に再現するマウスモデルでの評価:例えば患者由来移植モデル(PDX)などで本剤を評価することで、臨床応用に繋がるデータを取得する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、申請者が独自に開発した新規RAS阻害剤の改良と作用機序の解析に取り組む。RASは全がんの約20~30%で活性型に変異している極めて重要ながん治療標的であるが、従来の技術では阻害剤を作ることが困難なundruggable target(創薬不可能標的)の代表例とされている。申請者が開発したRAS阻害剤の最大の特色は、従来の創薬分子や次世代医薬品のどれとも異なる「細胞膜透過性タンパク質」であるという点である。すなわち、本剤は分子量が1万Daを超える高分子量タンパク質であるにも関わらず、細胞膜を透過し細胞内に存在するRASに到達し阻害することが可能である。具体的な構造は、RASに結合する部位と細胞膜透過性ペプチドの2ドメインであるが、これに活性を高める第3ドメインなども付与したキメラタンパク質である。本剤は細胞・マウスモデルいずれでも阻害効果を示しており、抗がん剤としての実用化に向けた準備は整っている(T. Nomura et al., Cell Chem. Biol., 2021)。 本研究では、まず「①本剤の合成展開」と「②他抗がん剤との併用効果の検証」を介して、抗がん作用のさらなる増強を目指す。同時に、本剤を「③がん病態を忠実に再現するマウスモデルでも評価」することで、臨床応用を目指したデータを取得する。本研究の完成によって新規抗がん剤の実用化を推進するとともに、他のundruggable targetを標的とした細胞膜透過性タンパク質への知見を得ることを目指したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度はマウスモデルで活性を示すタンパク質Yの薬効機序解析と合成展開に取り組んだ。解析面に関しては順調に進行し、10種類以上のマウスモデルを使った薬剤感受性プロファイリングが完了し、抗腫瘍免疫等の因子がin vivo活性に関与していることが明らかになった。合成展開面に関しては約50種類のタンパク質を合成したが、飛躍的な活性の向上は認められなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きタンパク質Yの薬効機序解析と合成展開に取り組む。解析面に関しては抗腫瘍免疫との関与に注力する。合成展開面に関しては、昨年と同様に50種類以上のタンパク質の合成を目指す。
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