PPARα活性化型の環境化学物質による乳がん悪性化:エクソソームを介した新規機構
Project/Area Number |
22K15288
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 47030:Pharmaceutical hygiene and biochemistry-related
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
平尾 雅代 広島国際大学, 薬学部, 助教 (30780746)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | PPARα / 環境化学物質 / 脂肪酸2位水酸化酵素 / FA2H / エクソソーム / 乳がん |
Outline of Research at the Start |
これまでに我々は、ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体α(PPARα)活性化作用を有する環境化学物質が乳がん細胞の遊走・浸潤を促進することを明らかにしている。近年、がん細胞から分泌される「エクソソーム」は、がん細胞の増殖、遊走・浸潤、転移などのがん悪性化に関与することが示されている。しかし、環境化学物質によるがん悪性化においてエクソソームがどのように関与するのかについては不明である。本研究では、PPARαを活性化する環境化学物質による乳がん悪性化にエクソソームが関与する機構を想定し、この仮説の証明を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
申請課題は、「PPARα活性化型の環境化学物質による乳がん悪性化:エクソソームを介した新規機構」 である。近年、がん細胞から分泌される「エクソソーム」は、がん細胞の増殖、遊走・浸潤、転移などのがん悪性化に密接に関与することが示されている。しかし、環境化学物質によるがん悪性化機構に関しては、我々も含めた研究者は、モデル細胞を環境化学物質で処理(曝露)し、その後の細胞内変化を観察・解析することが多い。最近我々は、核内受容体PPARαの活性化作用を有する環境化学物質ペルフルオロオクタン酸(PFOA)が脂肪酸2位水酸化酵素(fatty acid 2-hydroxylase; FA2H)の発現誘導を介して乳がん細胞の遊走を促進することを明らかにした。本研究では、PPARα活性化作用を有する環境化学物質による乳がん悪性化に「エクソソーム」が関与する機構を想定し、独自に見出したPPARα制御性のFA2Hに着目して、この仮説の証明を目指すことを目的とした。 本年度は、エストロゲン受容体陰性ヒト乳がんMDA-MB-231細胞を用いて、FA2H過剰発現細胞のエクソソームを含む培養上清による細胞遊走促進におけるFA2Hの酵素活性の必要性について検討した。FA2Hの発現プラスミドの導入によりFA2Hを過剰発現させた細胞の培養上清は、FA2Hの発現プラスミドを導入していないMDA-MB-231細胞の遊走を促進した。この細胞遊走の促進作用は、FA2Hの酵素活性欠損変異体(Y311A/D312A)を過剰発現させたMDA-MB-231細胞の培養上清では見られなかった。以上より、FA2H過剰発現細胞の培養上清による細胞遊走促進作用にはFA2Hの酵素活性が必要であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記の「研究実績の概要」にも示したが、当初予定していた年度計画をもれなく実行できた。また、得られた研究成果を各種学会にて発表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、おおむね計画通りに進展している。次年度も、申請書に記載した計画に準拠して遅滞なく研究を進める。したがって、研究計画の変更等はない。
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Report
(2 results)
Research Products
(14 results)