Project/Area Number |
22K15307
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 47050:Environmental and natural pharmaceutical resources-related
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
篠田 知恵 (坪井知恵) 愛知学院大学, 薬学部, 助教 (70736355)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 脂肪毒性 / アルツハイマー / ミクログリア / 核内受容体 / アルツハイマー病 / 脳内炎症 |
Outline of Research at the Start |
アルツハイマー病(AD)の重要な危険因子として肥満や加齢が挙げられる。全身的な脂質代謝の異常に起因する脂肪毒性が脳内炎症に先駆し、AD発症を誘発するのではないかと考えた。そこで、本研究では肥満や加齢に伴い血中に増加するパルミチン酸(PA)に着目し、PAが炎症を惹起する機序を調べ、それを抑制する新規天然由来核内受容体(NR)アゴニストを探索しその有効性を明らかにする、という着眼点からAD予防・治療法の解明に挑む。 本研究の成果より、脂質代謝というパラメーターからADに起因する脳内炎症の発症機序に対する理解が大きく進み、副作用のない新しいNRアゴニスト治療薬の発見に繋がることが期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
ミクログリアは加齢、ストレス、そして生活習慣病などの全身的な慢性炎症に起因して活性化し、脳内炎症を惹起すると考えられており、加齢や肥満による全身的な脂質代謝の異常はアルツハイマー病発症に重要な役割を担っていることが予想される。したがって、全身的な脂質代謝の異常に起因する脂肪毒性がミクログリアの活性化や脳内炎症に先駆し、アルツハイマー病の発症を誘発するのではないかと考えた。そこで、本研究では肥満や加齢に伴い血中に増加する飽和遊離脂肪酸であるパルミチン酸(PA)に着目し、PAによる炎症を惹起する機序を調べ、その炎症を抑制する核内受容体アゴニストを探索することを目的としている。 当年は、先行研究で明らかになったPAによる炎症反応を抑制する核内受容体であるRXRを介した反応の機序を調べる為に、RXRαのノックダウン細胞の樹立を試みた。RXRαのKD細胞樹立の為5種類のshRNAを購入し導入方法の条件検討を行った。shRNA導入後、細胞を回収しmRNA発現をRT-qPCR法を用いて調べた結果、50%程度のKD効率をもつ細胞を得ることができた。しかし、KD細胞として用いるにはKD効率がまだ低いと言える。 今後、まずはRXRαのKD細胞株の樹立を試みる。また、PAによって惹起される炎症反応の機序を調べる為に、TLR4を介した経路やNADPH oxidaseの活性化経路について、遺伝子発現やタンパク質発現の測定し、酸化ストレス応答を調べる為にROSの定量を実施する。更に、樹立できたRXRαの細胞株を用いてPA刺激による炎症反応に対するRXRの抑制効果を調べる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
20022年4月から2022年11月まで産前産後休暇ならびに育児休業を取得した為、当初計画よりほぼ1年遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、BV2細胞を用いて以下の実験を行う。 <1>RXRノックダウン細胞株の樹立を目指す。今年度、条件検討を行ったがノックダウン効率が決して高いとは言えない。更に条件検討を進める。樹立後、核内受容体アゴニストを介した抗炎症作用のメカニズムを調べる。RXRアゴニストの前処理ならびに同時添加によって抗炎症効果が認められている。この細胞保護効果がPA誘導による炎症反応のどの段階に働きかけるのかを検討する。 <2>PAによってミクログリア細胞の炎症反応が惹起される機序を調べる。:小胞体ストレス関連マーカーのタンパク質発現ならびにリン酸化レベルを調べ、PAによる小胞体ストレス経路を介した炎症惹起の機序を調べる。また、TLR4を介した経路やNADPH oxidaseの活性化経路について、遺伝子発現やタンパク質発現の測定する。 <3>PAによる酸化ストレス応答を調べる為に活性酸素種(ROS)を、蛍光色素を用いて染色し蛍光顕微鏡にてその量を定量する。 <4>天然由来核内受容体アゴニストの探索:今までに、天然由来RXRアゴニストとして単離精製したプレニルフラバノンSPF1と2が、神経細胞様PC12細胞の抗炎症作用を示すと共に、ABCA1発現を増加させAβによる神経毒性を抑制している可能性を報告してきた。これらの知見より、天然由来アゴニストはABCA1発現増加作用及び脂質代謝の改善に働く可能性があり、活性化ミクログリアに対する天然由来核内受容体アゴニストを用いた機能改善効果の検討を試みる。
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