Project/Area Number |
22K15327
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 47060:Clinical pharmacy-related
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
秋田 智后 東京理科大学, 薬学部生命創薬科学科, 講師 (60801157)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 慢性閉塞性肺疾患(COPD) / 活性型ビタミンD3 / 再生医療 |
Outline of Research at the Start |
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は不可逆的な肺胞破壊により呼吸困難を生じる疾患であるが、COPD根治を可能にする肺胞再生可能な薬剤は開発されていない。申請者らは、マウスに適した経肺投与方法を確立し、COPDモデルマウスにおいて活性型ビタミンD3の分化誘導による肺胞再生効果を検証して臨床用粉末吸入剤の開発を行ってきた。しかし、COPD患者には疾患症状や呼吸機能が1日を通して変化する概日リズムの存在が示唆される。本研究では、疾患に関連した概日リズムが肺胞再生効果にどのように影響するか明らかにし、COPDを効率よく治療する薬物至適投与時刻の設定に加えて、時間治療を行う際の副作用リスクの解明を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease; COPD)は不可逆的な肺胞破壊により呼吸困難を生じる疾患であるが、COPD根治を可能にする肺胞再生可能な薬剤は開発されていない。申請者らはこれまでに、マウスに適した経肺投与方法を確立し、COPDモデルマウスにおいて活性型ビタミンD3(1,25(OH)2D3)の分化誘導による肺胞再生効果を検証して臨床用粉末吸入剤の開発を行ってきた。しかし、COPD患者には疾患症状や呼吸機能が1日を通して変化する概日リズムの存在が示唆されるため、疾患に関連した概日リズムが肺胞再生効果にどのように影響するのか明らかにすることを目的に、本年度は以下の検討を行った。In vivoでの1,25(OH)2D3至適投与時刻を推定するため、Normalマウス及びCOPDモデルマウスから4時間おきに24時間、肺を摘出して、時計遺伝子(Bmal1、Per2)、Vdr、Tnfα遺伝子発現量を測定し、最小発現時刻の値を1とした相対発現量を解析して経時的な変化を評価した。その結果、Normalマウスの時計遺伝子発現リズムは逆位相を示し体内時計の存在が示唆されたが、COPDモデルマウスでは位相の変化や発現量の変動が認められた。また、Vdr及びTnfαではNormalマウスにて認められていた発現ピークがCOPDモデル化により消失・シフトすることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウスにエラスターゼ溶液を週2回経肺投与し、エラスターゼ誘発性COPDモデルマウスを作製した。明期開始0時間後から4時間おきに24時間、Normalマウス及びCOPDモデルマウスから肺を摘出し、時計遺伝子(Bmal1、Per2)、Vdr、Tnfα遺伝子発現量を測定した。このとき、最小発現時刻の値を1とした相対発現量を解析して経時的な変化を評価した。 その結果、Normalマウスの時計遺伝子は発現リズムが逆位相の関係を示したが、COPDモデルマウスでは、Bmal1の振幅が3倍に増加、Per2の振幅は2分の1以下に減少し、発現リズムの変調が認められた。Vdr遺伝子はNormalマウスで見られていた明期開始後8時間のピークがCOPDモデル化により消失した。Tnfα遺伝子はNormalマウスにおける明期開始後20時間の発現ピークがCOPDモデル化により明期開始後4時間にシフトした。 以上より、Normal群で認められた概日リズムや発現ピークはCOPDモデル化により破綻が引き起こされており、Vdrの発現も調節を受けていることが示唆された。これらの知見は、本研究の目標である1,25(OH)2D3経肺投与時刻のCOPD治療効果への影響解明と至適投与時刻の推定に着実に貢献していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はin vivoでの治療効果において1,25(OH)2D3至適投与時刻を推定するため、以下の検討を行う。COPD治療効果を検討することを目的に、COPDモデルマウスに1,25(OH)2D3を週2回3週間、4時間ごとのタイミングでそれぞれ経肺投与し、高性能呼吸機能解析装置フレキシベントによりマウスの呼吸機能を測定する。また、投与時刻ごとの血中Ca2+濃度を測定して高カルシウム血症が引き起こされるか評価し、マウスの外観観察や体重測定も投与期間中に行う。これにより、1,25(OH)2D3の副作用リスクに肺における概日リズムが関与しているか明らかにする。
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