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炎症性メディエーターに着目したピロリ菌による炎症性発癌機構の解明

Research Project

Project/Area Number 22K15356
Research Category

Grant-in-Aid for Early-Career Scientists

Allocation TypeMulti-year Fund
Review Section Basic Section 48010:Anatomy-related
Research InstitutionOita University

Principal Investigator

久保 修一  大分大学, 医学部, 助教 (60898097)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Keywordsピロリ菌 / 炎症 / CagA毒素蛋白質 / 脂質メディエーター / 慢性炎症 / 胃癌
Outline of Research at the Start

ピロリ菌、特に菌体から胃粘膜上皮細胞へ注入されるCagA毒素蛋白質をもつピロリ菌は炎症を基盤とした強い発癌活性を示すが、その機序の全貌は明らかにされていない。
我々はCagAを発現させた胃細胞内において、炎症に関連する特定の生理活性脂質が顕著に増加することを発見した。
本研究では細胞レベルの実験に加え、スナネズミを用いた個体レベルの実験系を用いることにより、CagAをもつピロリ菌が感染した胃の発癌過程において、生理活性脂質が担う役割を明らかにする。
本研究により、ピロリ菌感染に起因する胃の前癌病変として位置づけられる慢性および萎縮性胃炎を治療標的とした、新たな薬剤の開発に結び付けたい。

Outline of Annual Research Achievements

①CagA遺伝子発現により増加したS1Pが、免疫担当細胞の遊走を亢進させることを明らかにした。
我々はこれまでに、CagA遺伝子を発現した胃粘膜上皮細胞株AGSでは、細胞内外スフィンゴシン-1-リン酸(以下S1Pと略す)が増加することを明らかにしてきた。S1Pは免疫担当細胞の遊走を亢進させることが報告されているため、レンチウイルス感染系、およびピロリ菌感染系を用いてCagA遺伝子を発現させたAGSの培養上清と、数種のS1Pレセプターアンタゴニストで処理した免疫担当細胞株(THP-1)および未処理のTHP-1細胞をBoyden Chamberを用いて反応させ、遊走した細胞数を測定・解析した。
いずれの感染系においても、CagA遺伝子を発現したAGSの培養上清では、発現していないAGSの培養上清と比較して上清中のS1P量が増加しているとともにTHP-1細胞の遊走数が有意に増加するが、アンタゴニスト処理したTHP-1細胞では遊走数が増加しないことを確認した。
②CagA陽性ピロリ菌を感染させたスナネズミにおいて、胃幽門部S1Pの増加を確認した。
スナネズミに対し、CagA陽性ピロリ菌および陰性ピロリ菌を感染させ、胃組織(幽門部)を採取して凍結組織標本の作成と脂質の抽出を行った。組織染色よりCagA陽性ピロリ菌感染スナネズミでは陰性ピロリ菌と比較して胃炎症が激化していることを確認し、また脂質中に含まれるS1P量を液体クロマトグラフィー質量分析法により測定し、CagA陽性ピロリ菌感染スナネズミの胃幽門部で、陰性ピロリ菌が感染した胃幽門部と比較してS1Pが顕著に増加していることを明らかにした。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

我々はこれまで、CagA遺伝子発現(レンチウイルス感染系およびピロリ菌感染系)により、細胞内外のS1Pが増加することを明らかにしてきたが、細胞外(培養上清)で増加したS1Pに依存して、免疫担当細胞の遊走が亢進することを明らかにした。
また、スナネズミを用いたin vivo実験において、CagA陽性ピロリ菌感染により胃組織(幽門部)中のS1Pが増加することを示した。これは、当初の実験計画通りである。

Strategy for Future Research Activity

S1Pは、免疫担当細胞において炎症関連遺伝子群の発現に関与しているという報告があるため、CagA遺伝子を発現させたAGSの培養上清とTHP-1をBoyden Chamberを用いて反応させ、THP-1中の炎症関連遺伝子群の発現量の変化を解析する。
また、CagA陽性ピロリ菌感染により生じる胃炎症状態とS1Pとの関連を明らかにするため、CagA陽性ピロリ菌感染と併用してS1Pの産生阻害剤を投与したスナネズミから凍結組織切片を作成し、HE染色・抗体免疫染色を用いた炎症の評価や各種遺伝子群の変化などを解析していく。

Report

(2 results)
  • 2023 Research-status Report
  • 2022 Research-status Report

URL: 

Published: 2022-04-19   Modified: 2024-12-25  

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