Project/Area Number |
22K15369
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 48030:Pharmacology-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
周 至文 北海道大学, 医学研究院, 助教 (80915819)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 睡眠 / アストロサイト / 温度 / マイクログリア / 脳波 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、グリア細胞の一種であるアストロサイトに着目し、睡眠脳波の形成メカニズムとその生理的意義の解明を目指す。前半は、アストロサイトの活動を観察し、アストロサイトがどのタイミングで睡眠脳波に参加するかを調べ、アストロサイトの活動パターンと睡眠脳波の関連を探索する。後半は、アストロサイトのシグナルを操作することで、そのシグナルは睡眠脳波の発生、頻度と伝播に影響するかどうかを検証する。本研究は、睡眠脳波の発生メカニズムを、アストロサイトの視点から理解し、新規側面を明らかにすることを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
脳は睡眠時においても絶え間なく電気的なリズムを刻み、特徴的な睡眠脳波を示す。睡眠脳波は、神経細胞とグリア細胞よる電気的シグナルの総和であると考えられている。しかし、睡眠脳波が生み出されるメカニズムはまだほとんど不明であり、特にグリア細胞の関与を検討した研究は少ない。本研究は、グリア細胞に着目し、睡眠脳波の形成メカニズムとその生理的意義の解明を目指す。 今まで主にアストロサイトのin vivo cAMPイメージングを行うための実験系構築に取り込んでいた。実験系の構築が進歩しているものの、観察されるアストロサイトの状態は活性化状態であり、またセンサーの蛍光強度が弱いという問題点がある。また、自由行動下のマウスでイメージングを行った際に、装置の一部は壊れてしまい、進行が妨げられた。技術的な難点も考えて、、予備プランとしてグリア細胞の一種であるミクログリアにも着目し、ミクログリアによる概日リズム、睡眠および睡眠脳波の制御を検討した。 そこで、PLX3397というミクログリアの増殖と生存を阻害する薬物を動物の飼料に混合し、動物の自発的な行動にできるだけ影響の少ない方法でほぼ全脳のミクログリアを除去した。これにより、常温および高温環境における動物の睡眠と睡眠脳波を観察した。ミクログリアを除去し、常温の休息期(明期)で観察された睡眠量、睡眠構造および睡眠脳波の各周波数成分に有意な変化が見られなかった。しかし、高温環境で見られた睡眠量の増加はミクログリアの除去によって阻害された。ミクログリアは外部環境に応答しやすい細胞種であり、高温だけではなく、ストレスや感染などにより性質が変化する。今後は、神経疾患や末梢疾患の動物モデルにおいて、ミクログリアが睡眠を制御する可能性を検討する。これによりミクログリアが睡眠における役割をより詳細に検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アストロサイトのイメージングの実験系を構築するのに必要なレーザーは中国のロックダウンによって大幅に遅れ、さらにイメージングしたところアストロサイトが活性化し、活動がうまく観察されなかった。しかし、研究の重心をミクログリアにシフトし、興味深い研究結果が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は研究の重心をミクログリアにシフトし、ミクログリアグリアが高温環境によって活性化するメカニズムを検討する。具体的には、RNAseqにより、常温環境と比較した際に、高温環境のミクログリアの遺伝子発現を調べる。これにより、ミクログリアにおける睡眠促進因子や覚醒促進因子の発現変化が見られるかを検証する。 また、ミクログリアを除去し、睡眠を調べた論文では、ミクログリアが持続的な覚醒を維持することが示唆されていたが、ごく最近の論文により、ミクログリアにおけるカルシウムイオンの上昇は睡眠を促進することが報告された。これらの知見を踏まえ、ミクログリアのカルシウムシグナルを2光子イメージングによって観察し、高温環境はミクログリアのカルシウムシグナル変化を調べる。 さらに、ミクログリアは温度受容体であるTRPV4受容体を発現しており、温度の上昇によってカルシウムイオンの流入を誘起する。そのため、環境温度の上昇が脳の温度を上昇させるかを赤外線カメラで確認する。脳の温度の上昇が確認された場合、ミクログリアにおいてTRPV4受容体がノックアウトされた遺伝子改変マウスを利用し、高温環境による睡眠量の増加がミクログリアのTRPV4受容体を仲介しているかを検証する。
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