Project/Area Number |
22K15383
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 48040:Medical biochemistry-related
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
今村 聖路 神戸大学, 医学研究科, 特別研究員(PD) (20866074)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | 概日時計 / 精神疾患 / 気分障害 / リン酸化 / 概日リズム / ストレス / レジリエンス |
Outline of Research at the Start |
鬱病に苦しむ患者数は年々増加の一途を辿っており、その病態の解明は現代医学・生命科学における重要課題である。ところが、複雑な動物の行動や精神機能を分子レベルで理解することは困難であり、鬱病態の生物学的観点からの理解は立ち遅れている。本研究では、鬱と概日リズムとの両方に深く関与する分子機構として、時計タンパク質PER2におけるリン酸化シグナルに着目する。当該シグナルに残された分子レベルでの謎を解き明かすことにより、鬱病態の更なる理解、および鬱に対する予防・治療法の確立が期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
精神疾患の中でも特に鬱病などの気分障害によって医療機関にかかる患者数は年々増加の一途を辿っており、その病態の解明は現代医学・生命科学における喫緊の重要課題である。ところが、複雑な動物(人間)の行動や精神機能を分子レベルで理解することは困難であり、鬱病態の生物学的観点からの理解が立ち遅れてきた。ここで本研究においては、鬱病態と概日リズムとの両方に深く関与する分子機構として、時計タンパク質PER2におけるリン酸化シグナルに着目する。このリン酸化シグナルをブロックした変異マウスは顕著に早寝・早起き型の行動リズムを示すとともに、慢性ストレスに対するレジリエンス(鬱抵抗性)を発揮する。しかし、このリン酸化シグナルの詳細な分子機序や、シグナルの上流・下流因子については不明な点が多い。 当該年度(研究期間全体)においては、このPER2リン酸化反応を担うタンパク質キナーゼの探索をおこなった。キナーゼの探索には、各種キナーゼ阻害剤とPER2における当該リン酸化部位特異的なリン酸化抗体を用いた。より具体的には、各種キナーゼ阻害剤を投与した培養細胞サンプルをウェスタンブロット解析に供し、S977/S981リン酸化抗体のシグナルを指標に阻害剤の効果を検証した。着目しているリン酸化部位の周辺配列より、この反応を触媒するキナーゼの正体はMAPKファミリーに代表されるプロリン指向性キナーゼである可能性が高いと推察された。実際に、阻害剤投与(loss-of function)および遺伝子過剰発現や各種の細胞外刺激によるキナーゼの活性化(gain-of function)実験により、あくまで培養細胞を用いた実験系ではあるものの責任キナーゼの有力候補としてあるMAPKファミリーの一員を見出した。
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