Project/Area Number |
22K15385
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 48040:Medical biochemistry-related
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
小嶋 将平 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, 基礎科学特別研究員 (30851703)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | 転移因子 / GWAS / eQTL / ゲノムワイド関連解析 |
Outline of Research at the Start |
ヒトゲノムに存在する構造多型の25%はこれまで"ジャンク"だと考えられてきた転移因子の挿入多型である。本研究では独自に開発した解析手法を用い、日本人を含む1万人規模のヒトゲノムから転移因子の挿入多型を探索する。次に、これらの多型を用い遺伝統計解析を行う。具体的には、ゲノムワイド関連解析(GWAS)やeQTL解析を行い、転移因子多型と疾患や遺伝子発現との関連を明らかとする。いくつかの転移因子多型に関しては実際に転移因子が疾患の原因となるかを細胞生物学実験により検証する。本研究はこれまで着目されてこなかった転移因子多型に遺伝統計手法を適用し、遺伝性疾患の病因を理解する上で重要な知見を得る。
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Outline of Annual Research Achievements |
ゲノムワイド関連解析(GWAS)には一般的に一塩基多型が用いられる。一方、長鎖配列の挿入や欠損といった構造多型はこれまでGWASにはほとんど用いられていない。本研究ではヒトの構造多型のおよそ25%を占める転移因子多型と疾患との関連を調べるため、独自に開発したソフトウェアを用い、転移因子の挿入多型をヒト集団スケールで同定し、遺伝統計解析の枠組みに取り込むことを目的とした。 本年度は、国際1000人ヒトゲノムプロジェクトの2504人に独自のソフトウェアを適用し、多様なヒト集団における転移因子多型を網羅的に同定した。これらの多型情報からインピューテーション参照パネルを作成し、GTExにより収集された838名とバイオバンク・ジャパン(BBJ)により収集された約18万人から転移因子多型の遺伝型を推定した。GTExにおいてeQTLを解析した結果、49のヒト組織において1,073の転移因子多型を含むeQTLが見つかった。BBJにおいて42疾患のGWASを行った結果、ケロイド・2型糖尿病・前立腺がんとの強い関連が見出された。さらに、ヒト線維芽細胞における転移因子挿入のノックアウト実験により、ケロイドと関連する転移因子挿入がケロイド重症化の原因遺伝子NEDD4のエンハンサーであることを明らかとした。 本結果は、これまで見過ごされてきたゲノム多型である転移因子多型が疾患リスクとなることを明らかとした結果であり、ゲノム医療や個別化医療へ貢献することが期待される。 本研究の結果については、国際学会Cold Spring Harbor Laboratory Meetingにてポスター発表を行い、また、Nature Genetics誌に出版された(申請者が筆頭著者かつ共責任著者)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2023年度は、ヒト集団スケールでの転移因子多型の解析をもとに、eQTL解析とGWASを行った。GTExにおけるeQTL解析では49のヒト組織を解析した。合計1,073の転移因子多型を含むeQTLが見つかり、特に精巣において転移因子多型が頻繁にeQTLとなっていた。BBJにおいて42疾患のGWASを行った結果、ケロイド・2型糖尿病・前立腺がんとの強い関連が見出された。実際に転移因子多型が疾患の原因となることを確かめるため、ケロイドの発症と関連が見出された転移因子挿入に着目した。本挿入はケロイドの重症化の原因であるNEDD4のイントロンに見つかった。ヒト線維芽細胞における転移因子挿入のノックアウト実験によりケロイドと関連する転移因子挿入がNEDD4のエンハンサーであることを明らかとした。このことは、転移因子挿入がNEDD4の発現を上昇させることでケロイドの発症や重症化のリスクとなることを示唆する。 当初の研究計画では、2年間でeQTL解析とGWASを行う予定であったが、予定よりも早く進んだ。その結果、転移因子多型を用いた大規模GWASとして世界に先駆けてNature Genetics誌に出版することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画では、2年間でeQTL解析とGWASを行う予定であったが、予定よりも早く進んだ。そこで、研究計画を拡張し、より大きなバイオバンクを用いたGWASを行う。具体的には、アメリカ合衆国の大規模バイオバンクであるAll-of-Usに独自のソフトウェアを適用し、レアバリアントを解析する。2022年度の研究では、2,504名を解析しコモンバリアントを用いたGWASを行った。一方、レアバリアントの転移因子多型がどのような疾患と関わるかは未だ不明である。そこで2023年度は、All-of-Usにより収集された10万人を解析し、レアバリアントと疾患との統計的な関連を調べる。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Mobile element variation contributes to population-specific genome diversification, gene regulation and disease risk2023
Author(s)
Kojima Shohei, Koyama Satoshi, Ka Mirei, Saito Yuka, Parrish Erica H., Endo Mikiko, Takata Sadaaki, Mizukoshi Misaki, Hikino Keiko, Takeda Atsushi, Gelinas Asami F., Heaton Steven M., Koide Rie, Kamada Anselmo J., Noguchi Michiya, et al.
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Journal Title
Nature Genetics
Volume: -
Issue: 6
Pages: 939-951
DOI
Related Report
Peer Reviewed
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[Journal Article] Variant Spectrum of von Hippel-Lindau (VHL) disease and its genomic heterogeneity in Japan.2023
Author(s)
1.Kenji Tamura, Yuki Kanazashi, Chiaki Kawada, Yuya Sekine, Kazuhiro Maejima, Shingo Ashida, Takashi Karashima, Shohei Kojima, Nickolas F Parrish, Shunichi Kosugi, Chikashi Terao, Shota Sasagawa, Masashi Fujita, Todd A Johnson, Yukihide Momozawa, Keiji Inoue, Taro Shuin, Hidewaki Nakagawa
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Journal Title
Human Molecular Genetics
Volume: Published online 11 March
Issue: 12
Pages: 2046-2054
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access
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