Project/Area Number |
22K15412
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 49020:Human pathology-related
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
木原 淳 自治医科大学, 医学部, 准教授 (10806756)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 子宮体癌 / 未分化癌 / 脱分化癌 / メチル化 / SALL4 / CD34 / Glypican 3 / H3K27me3 / 子宮内膜癌 / クロマチンリモデリング因子 |
Outline of Research at the Start |
脱分化癌は婦人科腫瘍の最新WHO分類(2020年)で子宮体癌の種類の一つとして新収載されました。脱分化癌は高度な治療抵抗性を示し、予後が極めて悪い腫瘍です。多くの脱分化癌でSWI/SNF複合体のサブユニット(SMARCA4・SMARCB1・ARID1B)の発現が消失しています。SWI/SNF複合体サブユニットの機能喪失が脱分化や高悪性化に関与していると考えられますが、そのメカニズムは完全には明らかになっていません。本研究では子宮体癌の脱分化や高悪性化の機構を明らかにするために病理形態学的および分子病理学的な解析を行います。
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Outline of Annual Research Achievements |
未分化癌・脱分化癌は子宮体癌(内膜癌)の新しい分類であり、悪性度が高く、予後が悪い腫瘍です。本研究の目的は未分化癌・脱分化癌の診断や治療の向上に有益な知見を得ることです。そのために患者さんから切除された検体の解析や実験を行っております。2023年度は以下の内容を実施しました。 (1)脱分化癌において未分化癌成分にSALL4、Glypican-3、CD34の発現する症例を見出したことから、未分化癌・脱分化癌21例を用いてそれらの発現を検討しました。SALL4、Glypican-3、CD34のいずれもおよそ半数程度で発現しており、SALL4とGlypican-3は同一症例で発現する傾向があることが分かりました。婦人科腫瘍の病理診断においては胚細胞腫瘍、特に卵黄嚢腫瘍でSALL4とGlypican-3が発現することが知られており、充実性の卵黄嚢腫瘍と誤診しないよう注意すべきと指摘しました(Pathology 2023, Epub ahead of print)。なお、上記3者の発現とSWI/SNFサブユニット発現消失との関連性は認められませんでした。 (2)H3K27me3の発現を未分化癌・脱分化癌のwhole sectionを用いて免疫染色で検討すると、脱分化癌1例で発現消失を認めました。組織マイクロアレイを用いて他の組織型も検討すると癌肉腫の肉腫成分での発現消失を認めました。脱分化癌については核酸を抽出し次世代シーケンサーによるwhole exome sequenceを行いましたが、H3K27me3消失をきたす既知の異常は見つかりませんでした。癌肉腫についてはEZHIP発現を認め、H3K27me3消失に関与していると考えられました。 SWI/SNF複合体異常以外にも子宮体癌の脱分化機序が存在する可能性を示唆しました(Virchows Archiv 2023)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に示したように得られた知見について雑誌に報告しました。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に沿って、子宮体癌細胞株を用いてSWI/SNF複合体サブユニットのノックダウン実験を行い、形態変化や遺伝子発現の変化をみていく方針です。
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