Project/Area Number |
22K15431
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 49020:Human pathology-related
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
渡部 朱織 帝京大学, 医学部, 助教 (50749760)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 播種性転移 / がん微小環境 / 中皮間葉転換 / エクソソーム / 細胞診 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、細胞診検体として採取される開胸時胸腔洗浄液に含まれるエクソソームから播種予測因子を同定し、胸膜播種の転移前ニッチの形成機序との関連を明らかにする。同定した因子が胸腔内の癌細胞生存および転移前ニッチの形成に与える影響について、特に中皮細胞が、がん関連線維芽細胞様に形質転換し腫瘍促進的な環境を形成する現象(中皮間葉転換)を指標に解析を行う。細胞診検査でこれまで破棄されてきた遠沈上清を有効に活用することによって播種予測因子を同定するという新たな試みにより、播種の予防と治療に応用可能な標的因子を確立する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、細胞診検体として採取される開胸時胸腔洗浄液(pre-PLC)に含まれるエクソソームから播種予測因子を同定し、胸腔播種の転移前ニッチの形成機序との関連を明らかにすることである。Pre-PLCは、150症例を目標として昨年度より2施設で継続して集積を行っている。自施設では、現在120症例を集積し、102症例が病理組織学的に原発性肺がんと診断された。組織型の内訳は、腺癌77症例、扁平上皮癌16症例、神経内分泌腫瘍5症例、その他4症例であった。他施設では25症例を集積し、22症例が病理組織学的に原発性肺がんと診断された。細胞診判定が陽性となった症例は4症例であり、陽性率は3.2%となっている。既報におけるpre-PLCの陽性率は2.9-5.3%であるため、同程度の陽性率ではあるが、細胞診判定陽性の症例数および臨床的播種ありの症例数を増やすために引き続き集積を行う。 肺腺癌患者における血清中のペリオスチン濃度は予後予測マーカーになることが報告されている。pre-PLC中に含まれるペリオスチン濃度およびエクソソーム内ペリオスチン濃度は、細胞診判定陽性症例および臨床的播種ありの症例で高く、播種の予後予測因子となり得る可能性が示唆された。肺がん原発巣におけるペリオスチン発現は、間質細胞で観察された。がん微小環境におけるペリオスチンの役割を明らかにするため、播種性転移の転移前ニッチと考えられる中皮間葉転換の誘導との関連について検討することにした。中皮細胞株とペリオスチンを強発現させた線維芽細胞株を用いて機能解析を行い、播種巣形成におけるペリオスチンの役割について検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
150症例を目標にpre-PLCの集積してエクソソーム内因子の網羅的な発現解析を行い、発現因子の比較検討を行う予定であったが、目標症例数の集積に時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞診判定陽性症例および臨床的播種ありの症例数を増やすため、次年度も引き続き検体の集積を行う。集積した検体からエクソソーム内因子を抽出し、マイクロアレイ解析やプロテオーム解析などを用いた網羅的な解析を行う予定であるため、円滑に進められるよう準備する。播種巣形成におけるペリオスチンの役割について明らかにするために、培養細胞を用いた機能解析を進める。
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