Project/Area Number |
22K15439
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 49030:Experimental pathology-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
江崎 寛季 名古屋大学, 医学系研究科, 特任助教 (40894093)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | 骨肉腫 / 再発メカニズム / 間葉系幹細胞 / Meflin / がん幹細胞 |
Outline of Research at the Start |
骨肉腫が治療抵抗性を獲得する原因の一つは、腫瘍中に少数存在するがん幹細胞(cancer stem cells)の存在である。一方、骨肉腫におけるがん幹細胞マーカーおよび形質は未だ確立されていない。従って本研究では、他の腫瘍の研究分野で規定されているがん幹細胞の形質を参考にし、①「化学療法抵抗性」、②「腫瘍形成能」、③「幹細胞マーカーの発現」に基づいて、Meflin陽性骨肉腫細胞の機能解析を行なう。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、Meflin陽性骨肉腫細胞における1)「化学療法抵抗性」、2)「腫瘍形成能」、3)「幹細胞マーカーの発現」について評価し、予定していた研究内容を概ね実施することができ、加えて期待される実験結果を取得した。 進行性、再発骨肉腫に対しては免疫チャックポイント阻害剤や既存の殺腫瘍効果を示す抗がん剤は走行せず、確立された治療法は現在のところ存在しない。従って、再発骨肉腫患者の5年生存率は30%未満と非常に予後が悪い。再発骨肉腫に対する新規治療法を提案するためにも、骨肉腫の再発メカニズムを解明する必要がある。骨肉腫の起源が間葉系幹細胞ということから、間葉系幹細胞の特異的マーカーとして同定されたMeflinに着目することで、骨肉腫の再発メカニズム解明へ繋がると考えた。これまでの先行研究から再発メカニズム解析の指標として、1)「化学療法抵抗性」、2)「腫瘍形成能」、3)「幹細胞マーカーの発現」を設定した。これらの項目が高い指標を有する腫瘍細胞は、再発メカニズムに寄与すると考えられている。 本研究では、Meflin陽性骨肉腫細胞についてin vitro及びin vivoモデルにおいて1)、2)、3)について機能解析を実施した。ここまでの研究結果より、Meflin陽性骨肉腫細胞が骨肉腫の再発メカニズムに寄与することが示唆され、加えて、Meflinを標的とした骨肉腫の治療方法にも着想し得ることから、本研究の目的の一部が達成されたこととなる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Meflin陽性骨肉腫細胞に対して、各々設定していた1)「化学療法抵抗性」、2)「腫瘍形成能」、3)「幹細胞マーカーの発現」について評価することができ、良好な実験結果を取得することができたため、“おおむね順調に進展している”と判断した。 まず、1)「化学療法抵抗性」については、in vivoモデルにおいてMeflin陽性骨肉腫細胞が対照群と比較して、高い化学療法抵抗性を有することを確認した。特に、骨肉腫の標準治療にも使用されるドキソルビシンに対して抵抗性を有することが示唆された。次に、2)「腫瘍形成能」についても、in vitroモデルにおいてMeflin陽性骨肉腫細胞が対照群と比較して高い腫瘍形成能を有することを確認した。加えて、3)「幹細胞マーカーの発現」については、幹細胞マーカーのOct4や、幹細胞で活性が上がるとされているアルデヒド脱水素酵素(ALDH)の活性が、Meflinの発現の有無で変化することを確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
Meflin陽性骨肉腫細胞に対して機能解析を一部実施することができたため、今後の研究方針としては、まずヒト原発及び再発骨肉腫検体においてMeflinの発現の有無を評価する。具体的には、原発骨肉腫検体のうち化学療法前の生検検体、及び化学療法後の手術検体でのMeflinの発現の変化、また再発骨肉腫検体におけるMeflinの発現について評価する。 また、さらなるMeflin陽性骨肉腫細胞の機能解析として、化学療法抵抗性の骨肉腫細胞株を樹立した際のオリジナルの骨肉腫細胞と比較したMeflinの発現変化の評価する。また、化学療法抵抗性の骨肉腫細胞株について、腫瘍形成能についても評価する。
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