Project/Area Number |
22K15444
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 49030:Experimental pathology-related
|
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
池上 一平 札幌医科大学, 医学部, 助教 (80837021)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
|
Keywords | Tfh細胞 / IL-9 / 液性免疫応答 / 免疫記憶 / アレルギー疾患 / 液性免疫 |
Outline of Research at the Start |
CD4陽性ヘルパーT細胞サブセットの濾胞ヘルパーT(Tfh)細胞は液性免疫応答を司り、B細胞の抗体産生を制御する。このTfh細胞は免疫難病に関与しており、病態制御機構に注目が集まっている。研究代表者はTfh細胞にインターロイキン(IL)-9受容体が高発現していることを発見した。炎症性サイトカインであるIL-9は気管支喘息などのアレルギー疾患における治療標的分子の一つとされているが、Tfh細胞における役割は不明である。そこで本研究では、IL-9によるTfh細胞の制御機構解明を目指す。本研究の成果をもとにIL-9によるTfh細胞を介した病態制御機構を明らかにし、今後の臨床応用へと発展させたい。
|
Outline of Annual Research Achievements |
CD4陽性ヘルパーT細胞サブセットの濾胞ヘルパーT(Tfh)細胞は液性免疫応答を司り、B細胞の抗体産生を制御する。このTfh細胞は免疫難病に関与しており、病態制御機構に注目が集まっている。我々はTfh細胞にインターロイキン(IL)-9受容体(IL-9R)が高発現していることを初めて発見した。炎症性サイトカインであるIL-9は気管支喘息などのアレルギー疾患における治療標的分子の一つとされているが、Tfh細胞における役割は不明である。そこで本研究では、IL-9によるTfh細胞の制御機構解明を目指し、CD4細胞特異的IL-9R欠損(IL-9R-CD4KO)マウスを用いて検討を行った。 2022年度より得られた主な結果として、IL-9R-CD4KOマウスに外来抗原としてヒツジ赤血球(SRBCs)を投与すると、SRBCs特異的抗体価の有意な低下を認め、所属リンパ組織におけるTfh細胞数の減少を認めた。また、家塵ダニ抽出物(HDM)誘導アレルギー性喘息モデルの解析では、IL-9R-CD4KOマウス肺H/E染色は比較対象のマウスに比べて肺病変の炎症反応が軽度であった。さらに、SRBCsと同様に、血清中のHDM特異的抗体価の低下をIL-9R-CD4KOマウスで認めた。 2023年度は二次リンパ組織においてTfh細胞にIL-9を供給する細胞の探索をフローサイトメトリーや免疫染色、in situ hybridizationで検討を行った。さらに、Tfh細胞と同様の表現型を有するFoxP3陽性濾胞制御性T(Tfr)細胞を生細胞のまま区別して検討を行うため、FoxP3(GFP/DTR)ノックイン-IL-9R-CD4KOマウスの作出を進めた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度はTfh細胞にIL-9を供給する細胞の探索を行った。これまでにTh9細胞、ILC2、抗原特異的メモリーB細胞、肥満細胞などがIL-9を先生することが報告されているが、液性免疫応答の場である胚中心やマントル領域でのIL-9産生細胞は不明である。そこで、in situ hybridizationや蛍光免疫染色などの形態学的解析、フローサイトメトリーによる評価を行ったが、前述のようなTh9細胞やメモリーB細胞は同定できなかった。そのため、「やや遅れている」と2023年度の進捗状況を振り返る。 その他、Tfh細胞には同様の表現型を有するTfr細胞を生細胞のまま区別するために、FoxP3-GFPノックインマウスとIL-9R-CD4KOマウスを交配し、FoxP3(GFP/DTR)-IL-9R-CD4KOマウスの作出を進めた。当該個体は2023年度内に作出できたため、今後はこのマウスを用いてTfr細胞を除外した真のTfh細胞について解析していく。
|
Strategy for Future Research Activity |
2023年度に同定しきれなかった二次リンパ組織におけるIL-9産生細胞の解析を進める。IL-9産生細胞を同定できた際にはTfh細胞と共培養実験を行い、IL-9産生細胞とTfh細胞のクロストークを検討していく。また、FoxP3(GFP/DTR)-IL-9R-CD4KOマウスからTfh細胞を単離し、RNAシークエンスなどによりTfh細胞におけるIL-9シグナルの重要性を解明したい。さらに、アレルギー疾患患者の末梢血中Tfh細胞についてIL-9R発現を解析する研究体制を構築し、得られた結果と臨床症状との相関から疾患病態を説明できるか、検討を進めたい。
|