Project/Area Number |
22K15470
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 49060:Virology-related
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
松井 千絵子 神戸大学, 医学研究科, 助教 (70778414)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
|
Keywords | C型肝炎ウイルス / シャペロン介在性オートファジー / エンドソームミクロオートファジー / 蛋白質分解 / Hsc70 / KFERQ配列 / HCV感染 / ウイルス複製 / KFERQ標的配列 |
Outline of Research at the Start |
C型肝炎ウイルス(HCV)は自身の増殖ための複製の場を確立するため、糖や脂質を利用する。そのため、宿主蛋白質の分解を誘導することで、HCV増殖に有利な環境を作り出し、病態形成を促進すると考えられる。シャペロン介在性オートファジー(CMA)分解に必須のシャペロンであるHsc70は、CMA以外にもエンドソームミクロオートファジー(eMI)に関与することが最新の研究で明らかになっている。そのため、HCV感染とCMAおよびeMIの解析により、HCV感染による新しい病原性発現機構の解明と治療法開発の端緒となることが期待できる。
|
Outline of Annual Research Achievements |
C型肝炎ウイルス(HCV)感染すると、細胞内シャペロン蛋白質Hsc70がHCV NS5A蛋白質と相互作用し、KFERQ配列を持つ宿主蛋白質をウイルス利便性のため、リソソーム系蛋白質分解経路を介して選択的に分解する。HCV感染により選択的オートファジー経路を介して分解を受ける宿主蛋白質は、リソソーム膜受容体LAMP-2Aと相互作用することでリソソームに取り込まれ分解される経路である、シャペロン介在性オートファジー(CMA)と、後期エンドソーム膜に取り込まれ、その後エンドソームとリソソームの融合により、リソソームで分解されるエンドソームミクロオートファジー(eMI)がある。しかしながら、HCV感染がどのようにCMAとeMIを使い分けるのか、両者の役割の違いは明らかではない。本研究では、HCV感染によるCMAとeMIの分別機構を解明することを目的としている。 本年度は、KFERQ配列を持つ宿主蛋白質の中で昨年度に同定したいくつかの蛋白質のうちから有力な候補蛋白質をとりあげ、HCV感染の誘導により蛋白質分解を受けるか更なる検討を行った。候補蛋白質はHsc70の基質結合ドメインに結合することが示唆されたことから、リソソーム分解を受ける可能性が示された。さらにHSC70との相互作用がみられた候補蛋白質のKFERQ標的配列に変異を入れると、Hsc70による配列の認識が阻害された。このことから、候補蛋白質上のKFERQ配列はHsc70により認識されうることが見出された。またeMI関連因子のノックダウンにおいて、HCV誘導性蛋白質分解が抑制されたことから、候補蛋白質はeMIを介したリソソーム分解を受ける可能性が高まった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
HCV誘導性選択的蛋白質分解機構の分子メカニズム解明を進める過程において、シャペロン蛋白質Hsc70が認識するKFERQ標的配列を有する宿主蛋白質を見出した。 候補となった新規宿主蛋白質が結合する、Hsc70上のドメインを同定し、またエンドソームミクロオートファジー分解による可能性があることを示した。 今年度はHCV感染によりeMIで分解される可能性のある、新規宿主蛋白質を見つけることができたことから、研究はおおむね順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
CMA分解経路に必須であるLAMP-2Aと、eMI分解経路に重要なESCRT蛋白質に着目し、候補蛋白質がHCV感染によりCMA分解を受けるのか、あるいはeMI分解を受けるのかをさらに検討する必要がある。 また蛋白質分解で引き起こされる下流遺伝子、および病態への影響を検討するために、HCV J6/JFH1感染細胞に宿主蛋白質遺伝子を過剰発現させることで、下流遺伝子の発現変化が抑制されるかを調べる。
|