CD47-SIRPα系による樹状細胞の生存制御の分子基盤
Project/Area Number |
22K15494
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 49070:Immunology-related
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
小森 里美 神戸大学, 医学研究科, 特命助教 (20939152)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | 樹状細胞 / SIRPα / CD47 / EAE |
Outline of Research at the Start |
樹状細胞(DC)は、免疫応答の司令塔的な役割を担う重要な免疫細胞である。特に、2型古典的DC(cDC2)はヘルパーT細胞の誘導を行う一方で、短命な細胞であることが知られている。このcDCの恒常性は厳密に制御されていると考えられるが、その詳細な分子機序は未だ明らかになっていない。そこで本研究では、cDC2に高度に発現する膜型分子であるSIRPαとそのリガンドであるCD47を介したcDC2の生存制御機構について焦点を絞り検討を行う。本研究の成果は、DCの生存制御機構のより深い理解と、自己免疫疾患などの病態解明と新たな治療法開発へとつながることが期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、細胞間シグナル伝達系であるCD47-SIRPα系を介した2型古典的樹状細胞(cDC2)の生存維持の分子機構の解明を進め、本年度は以下の研究結果を得た。 [I] 前年度に作製したSIRPα/遺伝子NダブルKOマウス(以下DKOマウス)を引き続き解析することによって、cDC2に発現するSIRPαはNの発現を抑制することによってcDC2の生存を制御していることが明らかとなった。さらに、骨髄由来DCを用いた解析により、SIRPα並びにNは直接的にDCの生存を制御していることが明らかとなった。 [II] 前年度に行った実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)の解析では、SIRPα単独欠損マウスではEAEの発症が抑制されたのに対してDKOマウスでは発症が認められていた。そこで、本年度ではEAEを行ったDKOマウスのリンパ節内でのDCの細胞数や脳脊髄内への血球細胞の浸潤について評価を行った。その結果、EAE後のDKOマウスのリンパ節内では、SIRPα単独欠損マウスと比較してDCの細胞数が増加し、脳脊髄内への血球細胞の浸潤が増加していた。以上から、DC上のSIRPαはNの発現を抑制することによって、DCの生存だけでなく免疫応答についても制御することが明らかとなった。 [III] CD47とSIRPαのシス結合がcDC2の生存を制御しているのかを明らかにするために、CD47を欠損したcDC2においても細胞死が誘導されているのか、また、Nの発現上昇が認められるのかを解析した。その結果、CD47を欠損させた脾臓cDC2では細胞死が起こっており、Nの発現が上昇していることが明らかとなった。このことから、cDC2上のCD47とSIRPαとのシス結合は、Nを介したcDC2の生存制御に関与している可能性が示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)