iPS細胞から誘導された神経芽腫発がんモデルを用いた悪性腫瘍の治療開発
Project/Area Number |
22K15517
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 50010:Tumor biology-related
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Research Institution | Research Institute for Clinical Oncology Saitama Cancer Center |
Principal Investigator |
迎 恭輔 地方独立行政法人埼玉県立病院機構埼玉県立がんセンター(臨床腫瘍研究所), 臨床腫瘍研究所, 主任 (60793974)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | iPS細胞 / 神経堤細胞 / 体幹部 / NCC / MYCN / 神経芽腫 |
Outline of Research at the Start |
神経芽腫(NB)は、神経堤細胞(NCC)に由来し、交感神経への分化の過程で発生する 小児悪性固形腫瘍である。NB悪性化と相関する遺伝子異常はMYCN遺伝子増幅であるが、それに加えて p53パスウェイ異常等が同時に起こることでさらに悪性化すると考えられている。本研究では、p53遺伝子異常を持つヒトiPS細胞をNCCに分化させ、MYCNを高発現させることで、NBの起源となる細胞を作り出す。作製した細胞に対して、網羅的な発がん解析を行い、その解析をもとにがん抑制剤スクリーニングを行うことで創薬などの臨床応用へと繋げる基礎研究として有用な新規遺伝子を同定する。
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Outline of Annual Research Achievements |
小児がんである神経芽腫は、神経堤細胞に由来し、交感神経への分化の過程で発生する悪性固形腫瘍である。神経芽腫の悪性化と相関する遺伝子異常はMYCN遺伝子の増幅であるが、それに加えてTP53パスウェイ異常等が同時に起こることでさらに悪性化すると考えられている。本研究では、ヒトiPS細胞を神経堤細胞に分化する実験系を用いて、正常細胞から神経芽腫細胞を作り出すことを試みている。本年度は、健常者由来iPS細胞およびTP53変異iPS細胞から体幹部神経堤細胞への分化誘導を行った。この分化誘導法は、レチノイン酸、FGF、BMP4 を用いた、iPS 細胞からの効果的な浮遊型の体幹部神経堤細胞への分化誘導法がすでに確立されているため、本研究においてもその方法に従った (Kirino et al. Scientific reports 2018)。しかし、この方法だけでは、培養維持、遺伝子導入が困難であったため、さらに独自の方法によって改善した。健常者およびTP53変異体幹部神経堤細胞にMYCN遺伝子を導入し、軟寒天コロニー形成を行ったところ、健常者体幹部神経堤細胞ではコロニーが形成されなかったが、TP53変異体幹部神経堤細胞は多数のコロニーを形成した。さらに、MYCN遺伝子導入したTP53変異体幹部神経堤細胞コロニーを単離し、免疫不全マウスに移植した。現在のところ、発がんは認められないが、引き続き、コロニーの単離と免疫不全マウスへの移植を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
すでに確立されている体幹部神経堤細胞への培養後、EGF、EFG、BMP4等の添加剤を用いた接着培養によって体幹部神経堤細胞マーカーであるPHOX2Bの発現維持を確認した。その後、MYCN遺伝子導入、形質転換によって免疫不全マウスへの移植細胞候補株をスクリーニングしてきた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、免疫不全マウスへの移植を進めるために、候補株を増やしていく。また、それでも発がんが認められない場合は、MYCNに加えて他の遺伝子導入も検討する。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)