Project/Area Number |
22K15567
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 50020:Tumor diagnostics and therapeutics-related
|
Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
内藤 寛 日本医科大学, 医学部, 講師 (70738210)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
|
Keywords | がん / バイオマーカー / がん微小環境 / がん関連線維芽細胞 / 細胞外小胞顆粒 |
Outline of Research at the Start |
がんの進展において、がん間質中に存在するがん関連線維芽細胞(CAF)の重要性が指摘されている。一方、細胞外小胞顆粒 (EV)は、がん細胞とCAFの新たな細胞間相互作用の手段として注目されている。本研究では、各細胞が分泌するEVの追尾系の構築、およびがん細胞とCAFの細胞間相互作用によって生じる各細胞由来のEV内部変化を詳細に解析することで、がん間質相互作用の新たなメカニズム解明およびがんの新規バイオマーカーの同定を試みる。
|
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、研究計画に則って以下の通り研究を実施した。 1)共培養環境下におけるEV追跡系の構築:昨年度作製したHCT116-CD63achGFPに加え、赤色蛍光タンパク質であるmScarletを同様のCD63 small-loop domainに導入したCD63mScarletも作製した。これら融合タンパク質遺伝子をさまざまな細胞株(PC9肺がん細胞株、HSC44PEおよび44As3胃がん細胞株、iNF58およびiNF60胃線維芽細胞株など)に導入することで、CD63achGFPおよびCD63mScarletを発現するさまざまな細胞を樹立した。特に胃がん細胞株、胃線維芽細胞株においては抗GFP抗体や抗RFP抗体、抗CD9抗体を用いたExoCounterアッセイにより、CD63achGFPまたはCD63mScarlet陽性のEVが検出可能であることが明らかになった。さらに、抗GFP抗体や抗RFP抗体を付与したマグネットビーズを用いた系で、免疫沈降によるEVの回収も可能であることが、ウエスタンブロット法を用いた検討により明らかになった。この系では、CD63achGFP発現細胞およびCD63mScarlet細胞を共培養した環境下でも各EVが単離できることから、EVの追跡系として有用であることが示唆された。現在、別の癌細胞や血管内皮細胞への導入もおこなっており、解析可能な細胞株の種類が増えてきている。 2)癌細胞と間質の線維芽細胞の共培養過程で分泌されるEVの追跡および解析:現在、4種類の癌細胞および2種類の線維芽細胞を共培養した際の細胞内およびEV内の遺伝子発現プロファイルをRNA-seqならびにqRT-PCRを用いて解析中であり、今年度中頃までにはEV内容物の解析が終了する見込みである。これに加えて、間接的な共培養や単培養と比べて、直接的な共培養において最も変化する細胞内・EV内分子に着目し、機能解析を行う予定である。加えて、2Dおよび3D共培養系を用いて、各細胞成分由来のEV分泌量が変動するかどうかExoCounterを用いた解析も行っている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
EVの追跡系自体は無事構築がおおむね完了したが、想定以上の時間を要してしまった。そのため、本来ならEV内部分子の機能解析まで着手したかったところであるが、現在細胞およびEV内部分子の網羅的解析を行っているところである。しかしながら、使用可能な細胞の種類が増やせたため、多くのがん細胞に共通するEV内部変化を今回樹立した系で追跡が可能であることは収穫であった。本年度中頃までには、特異的分子の同定および機能解析を行う予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
すでに共培養環境下におけるEVの追跡系は樹立できたため、現在進めているオミックス解析結果から、間接的な共培養や単培養と比べ、直接的な共培養において変化するEV内部・細胞内部分子を同定する。その後、RNAiや強制発現系を用いた基本的な機能解析、癌細胞の増殖・浸潤能などへの影響や、線維芽細胞の活性化への影響につき検討する。現在、さまざまな癌細胞株を用いた解析が可能になったため、多くのがん細胞株や線維芽細胞で共通に生じる変化に重点を置き、解析する予定である。また上述のように、2Dおよび3D共培養系を用いて、各細胞成分由来のEV分泌量が変動するかどうかExoCounterを用いた解析も行っていると同時に、重要分子の発現変化についても解析予定である。
|